2019年9月17日(火)放送の『林修の今でしょ!講座』。
『健康長寿の方々は意識して食べていた!体の老化をとりのぞく最強の薬味BEST5』というテーマで放送されました。
そうめんや冷奴、この時期はサンマで…味にアクセントをつけてくれる薬味。
薬味を意識して食べている健康長寿の方々は老け知らず♪
教えてくれるのは、薬味のエキスパートで食品医学研究所所長の平柳要先生。
「私の母はまもなく103歳になるんですが、日頃からねぎやしょうがをよく食べていました」
「日頃から薬味を少しずつとっていくと、健康長寿が達成できるんじゃないかと思っています。ですから薬味を意識して食べることがとっても重要なんです」
今回健康長寿の方100人に聞いたところ、よく食べるという薬味10種類がコチラ↓
・しょうが
・わさび
・大根おろし
・唐辛子
・みょうが
・大葉
・にんにく
・さんしょう
・かぼす
この中から、薬味のパワーを知りつくす専門家が選んだ、体の老化をとりのぞく最強の薬味ベスト5を発表!
夏に弱った体を元気にして、秋を迎えるために学びたい薬味の力。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
第1位:毛細血管を老けさせない『長ねぎ』
今急増中!日本人の半数以上が悩む、冷え性。
その冷え性の原因の1つ、毛細血管の老化を防ぐ冷え性改善薬味。
それは…長ねぎ
そもそも冷え性は、体の血の巡りが悪くなることで起こる症状。
長ねぎを毎日食べているという生産地の健康長寿の方々の体温を、サーモグラフィーカメラで測らせてもらいました。
冷え性に悩んでいる方はつま先が青くなっていますが、85歳の健康長寿は…なんと!つま先まで真っ赤。
他の81歳と83歳の方も同じようにつま先まで赤く、ぽっかぽか。
長ねぎといえば温かいうどんにもざるそばにも、玉子焼きの中にも…タン塩の上に乗せても美味しいですよね。
普段何気なく食べている長ねぎ、意識して食べないと冷え性改善パワーが台無しに。
実は冷え性改善パワーを引き出すには、長ねぎのどの部分を使うかが重要なんです。
「できれば白い部分と緑の部分、両方を食べて欲しいんですね」
「長ねぎの白い部分、におい成分のアリシンが血流を良くして体を温めるんです」
「にんにくもいいんですが、長ねぎの方が効果的なんです。緑の部分に含まれるβ-カロテンが血液を増やすんですね」
その結果、冷え性改善が期待できるということなんです。
「低血圧や貧血、冷え性など血管の症状を改善することができるんです」
「冷え性改善には、やっぱり白い部分が多い長ねぎがおススメなんです」
にんにく…2μg
長ねぎ…82μg
(可食部100g中)
文部科学省 食品成分データベースより
第2位:隠れ肥満を防ぐ『唐辛子』
脂肪燃焼パワーが期待できる薬味。
それは…唐辛子
猛暑が続いた今年の夏、外出を控えてなるべく室内にいるようにした、という人も多いのでは?
そんな方たちに、ある危険が…!
それが、脂肪燃焼パワーが老化して起きる隠れ肥満。
「今年の夏のような猛暑、これは運動を控えてしまう。そうすると隠れ肥満が多くなるんですね。そして運動しないからますます脂肪が溜まると」
唐辛子の生産量日本一を誇る、栃木県大田原市。
90歳を超える健康長寿のご兄弟、習慣のように普段から唐辛子をいろんな料理にちょこっと入れるんだそう。
若い頃から太っていたことはないんだとか!
唐辛子といえば温かいうどんにサッとふりかけたり、焼き鳥や豚汁などにかけると辛さがいいアクセントになって、美味さが引き立ちますよね。
「唐辛子の脂肪燃焼効果、これがすごく画期的なんです」
「辛味成分のカプサイシンが中性脂肪を分解・燃焼してくれるんです」
脂肪が燃焼されるときというと、たとえば運動をしたとき。
運動をすると脳からアドレナリンが分泌され、脂肪の燃焼を促進します。
つまり唐辛子を食べたとき、体の中では運動したときと同じことが起きているんです。
「そこが唐辛子のスゴいところなんです」
「運動がイヤだという人は、唐辛子を食べてそのまま寝ているだけでも脂肪が燃えてくる」
唐辛子×大根おろしでパワーアップ!
平柳先生が勧める、唐辛子との最強の組み合わせ。
それは…唐辛子×大根おろし
「もみじおろしと言いますが、もみじおろしは大根おろしの消化酵素と唐辛子のカプサイシン、これによって脂肪燃焼効果を抜群にするんです」
「特に内臓脂肪が気になる方は、もみじおろしにして食べるということがおススメですね」
「1つだけ注意が必要なんです。唐辛子は刺激物ですので、食べ過ぎると胃腸が荒れたり頭痛を起こす人もいます」
「あまり大量に食べない。毎日少しずつ食べるとダイエット効果にも良いですし、他の健康増進効果にも良いです」
平柳先生によると、唐辛子は一般的な鷹の爪で1日1本分(約1g)程度がいいんだそう。
第3位:血管を老けさせない『にんにく』
血管の老化をとりのぞく血管強化薬味。
それは…にんにく
今が危険!脳梗塞や心筋梗塞の予防に。
にんにくの収穫量が全国3位の香川県。
にんにくをよく食べるという健康長寿の血管年齢を調べてみると…
・89歳の健康長寿…血管年齢44歳(-45歳)
健康診断でも“異常なし”ばかりなんだそう!
ニンニクといえばスライスしてステーキに乗せたり、パスタに入れてペペロンチーノにしたり…
餃子やラーメン、焼肉にも欠かせない存在ですよね。
一方、にんにくのニオイが気になるという人もいますが…実はそのニオイが血管には重要だったんです。
「塩分や脂肪分が多い料理にはにんにくを加えると、血管を老けさせないパワーがあるんです。におい成分アリシンが血管を老けさせないんです」
「このアリシンは血管を広げたり、血液の状態を健康にするといった作用があるんですが、血圧低下や動脈硬化の予防にうってつけなんです」
「ですから、にんにくは『食べる降圧剤』と言われています」
・にんにくは細かくすべし(スライスする・すりつぶす・叩きつぶす)
→アリシンはにんにくの細胞を破壊しないと生まれない成分
・血管に良いのは生
→にんにくは加熱すると成分が変わってアリシンが減少する
にんにく×トマトでパワーアップ!
平柳先生が勧める、にんにくとの最強の組み合わせ。
それは…にんにく×トマト
1.にんにくを細かく刻む
2.刻んだにんにくを切ったトマトと混ぜる
3.オリーブオイル・塩少々で味つけすれば出来上がり
にんにくの成分アリシンの血管を広げる効果との、Wのパワーで血管を老けさせないんです♪
第4位:免疫力を老けさせない『しょうが』
夏に乱れた免疫力を老けさせない薬味。
それは…しょうが
猛暑だった今年の夏…クーラーが効いた室内と外との寒暖差で自律神経が乱れ、免疫力は著しく低下。
そのツケが回ってくるのが、秋口の今なんです。
この10年間、生姜の生産量ダントツで全国1位の高知県。
生産地のお年寄りは、筋トレで体を鍛えるほど元気いっぱい!
風邪もほとんどひかないんだそう。
しょうがといえば冷奴やうどん、そうめんなど生のしょうがを使う料理もあれば…
豚のしょうが焼きイワシのしょうが煮、さらにはしょうがご飯など、加熱しても食べますよね。
「しょうがは生で食べる場合と加熱した場合で、得られるパワーが変わってしまうんですね」
「しょうがの辛味成分ジンゲロールは、免疫力が低い場合にアップし、高いときには下げてくれる効果が期待できるんです」
「さらに、強力な殺菌パワーを持っているので、インフルエンザウイルスなどのウイルスを撃退してくれるんです」
「ただし生のしょうがは解熱作用があるので、体を冷やしてしまうこともあるんです」
「加熱するとジンゲロールの一部が、ショウガオールという体を温める成分になるんです」
つまり寒くなってくるこれからの時期、よりとってほしいのは加熱したしょうがなんです。
その免疫細胞をさらに活性化させる食べ方は、豚のしょうが焼きなんです。
「免疫細胞はたんぱく質からできていますので、免疫細胞を活性化するにはたんぱく質の豚肉がいいんです」
「しょうがを煮てしまうと成分が水の中に溶けてしまうので、鍋だったら汁までとらないとしょうがの成分がとれないんです」
「チューブのしょうがは生に比べると、他の成分が入っていますから栄養的には下がるんですが、生の1.5倍くらいとれば同じ効果が期待できます」
栄養を逃さないしょうがのすりおろし方は…皮ごとすりおろす
しょうがの成分ジンゲロールは、皮の近くに多く含まれているんだとか。
しょうが×緑茶でパワーアップ!
しょうがの収穫量全国1位、高知県の健康長寿の方々が食べている、しょうがとの最強の組み合わせ。
それは…しょうが×緑茶
皮ごとすりおろしたしょうがを…なんと!温かい緑茶の中へ。
緑茶に含まれる、免疫力を調整するエピガロカテキンガレート。
そして、しょうがのジンゲロール&ショウガオールで、免疫調整力がパワーアップするんです。
ちなみに産地の健康長寿の方々は、ちょっと変わった食べ方をしていました。
1.溶いた小麦粉の中に、細切りにしたさつまいも・じゃこ・ピーマン・刻んだしょうがを入れてよく混ぜる
2.それを油で揚げれば出来上がり
熱を加えることで、ジンゲロール(殺菌作用)の一部がショウガオール(体温め作用)に変化。
体を温めて免疫力を老けさせない、とても理にかなった食べ方なんです♪
第5位:胃腸を老けさせない『大根おろし』
暑かった夏、特にダメージを受けた胃腸を老けさせない薬味。
それは…大根おろし
全国1位の大根の収穫を誇る北海道、産地の皆さんは胃腸が元気な人ばかり!
「大根、それも大根おろしです。大根ではあまり意味がないんです」
では、大根おろしの味に隠された『胃腸を老けさせない秘密』とは?
大根ではなく大根おろしの方が胃腸にいい理由は、ピリッとくる辛さ。
その辛さにまつわる、こんな最新研究が!
「大根などのアブラナ科の野菜をとると、辛味成分のイソチオシアネートというものがとれるんです」
「このイソチオシアネートをたくさんとる人は、あまりとらない人に比べて死亡リスクが男性で14%、女性で11%減ることが分かったんです」
※国立がん研究センターの最新研究(2018年)
その辛味成分のイソチオシアネートは、大根をおろしたときに細胞が破壊されて生まれる成分なんです。
なので、大根おろしが一番いいんだそう。
ちなみに、煮てしまうと辛味成分は減少してしまうので、あまりよくないんだとか。
この辛味成分イソチオシアネートは、唾液や胃液の分泌を促して消化を促進してくれます。
「イソチオシアネートをとる場合は、辛い種類の大根をとった方がいいですね。特に汁までとっていただきたいです」
「揮発成分ですので時間が経つと少なくなってしまうので、おろしたてが大事です」
・大根は下の部分(先端)を使うべし
→下にいくほど辛味成分が豊富に含まれる(上部と比べて数倍)
・おろし金と垂直にしておろすべし
→繊維に対して垂直におろすと細胞がより壊れ、辛味成分が多く生まれる
大根おろし×納豆でパワーアップ!
大根の収穫量全国1位、北海道。
こちらの健康長寿の方々が食べている、大根おろしとの最強の組み合わせ。
それは…大根おろし×納豆
納豆の納豆菌が善玉菌を増やし、大根おろしのとWパワーで胃腸が元気に!
さらに、この大根おろし×納豆をつゆの中へ入れて、そうめんをつけて食べていました♪
この大根おろしと納豆の組み合わせを、毎朝食べているんだそうですよ。
おわりに
健康に欠かせない薬味、毎日たくさん取り入れたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。