2019年10月26日(土)放送の『世界一受けたい授業』。
『日本人の2人に1人!急増するアレルギーを防げ』というテーマで放送されました。
今、日本人の2人に1人が何かしらのアレルギー。
花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎など。
2005年には3人1人だったアレルギー患者ですが、2011年、10年もたたないうちに2人に1人と急激に増加。
原因はいくつかありますが、その1つは生活環境の変化。
以前は土間のある家に住み、舗装されていない地面が当たり前でした。
それぞれの土に含まれる様々な細菌が免疫力の形成に役立っていたため、アレルギー体質になる人が少なかったのです。
しかし、生活環境の変化によりウイルスや細菌を退治する細胞のバランスが崩れ、アレルギー体質の子どもが増える傾向に。
教えてくれるのは、『国立成育医療研究センター アレルギーセンター長』の大矢幸弘先生(62歳)。
「特に秋は雑草の花粉などに反応する人が増えます。さらに、喘息が悪化する要注意の季節なんです」
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
食べていないのに食物アレルギーを発症する理由
答えは…荒れた肌に食べ物が触れ続けた
一般的に食物アレルギーは、『T細胞』と呼ばれる免疫細胞が口から取り込んだ食べ物を敵だと認識。
それがきっかけで発症すると考えられていました。
しかし最近の研究では…肌荒れなど皮膚に炎症があるとき、表皮に存在する肌を守る働きのある細胞が活性化。
触れている食べ物を敵だと勘違いし、アレルギーを発症します。
ひどい肌荒れの状態で料理を作り続け…にんじんアレルギーになった主婦。
美容目的でシャンプーにはちみつを混ぜて使用し続け…はちみつアレルギーになった女性などもいるのです。
食物アレルギーが出やすくなる原因
答えは…運動をすること
アレルギーを持っている人が何らかの原因物質を体内に取り込んでしまった場合。
運動していないときは腸でのアレルギー原因物質の吸収がゆっくりなのに対し…
運動しているときはアレルギー原因物質の吸収が促進され、アレルギーの症状が出やすくなると考えられています。
「ランニングなどの激しい運動により引き起こされることが多いですが、散歩などの軽い運動で起こることもあるので注意が必要です」
「思い当たる人は、食事のあと2~4時間は激しい運動をしないことをお勧めします」
ケース①:卵アレルギー
普段から卵を口にしないように、食事に気をつけていたAちゃん。
しかしあるとき…
Aちゃん「お母さん、なんかかゆい…」
顔が赤くなり、アレルギーの症状が出てしまったのです。
答えは…ゆで卵をつくるときの湯気
この日は自分が食べるのではなく、家族のためにゆで卵を作っていました。
実は、卵の成分を含んだこの湯気が原因。
その湯気に反応して顔が赤く腫れ、アレルギー症状が出てしまったのです。
大矢先生の調査によると、一般家庭の布団のホコリの中から一番多く見つかったアレルギーの原因物質は…
ダニではなく、卵のたんぱく質。
卵料理を作ったとき、空気中に卵のたんぱく質が舞って布団のホコリの中に混ざるのです。
そこへ湿疹や肌荒れのある赤ちゃんが寝てしまうと、卵を食べたことがないのに卵アレルギーになってしまうこともあります。
「以前は妊娠中や授乳中にお母さんが食べたものが原因で、赤ちゃんがアレルギーになると信じられていました」
「しかし最近の研究の結果、卵アレルギーの典型的ななり方は、空中の卵のたんぱく質が皮膚から入ったことが原因だというのが分かってきました」
「対策としては、まず赤ちゃんの肌荒れを治療すること。そして小児科の医師と相談しながら、生後半年を目安にごく少量ずつから卵を食べさせていくこと」
ケース②:タピオカミルクティー
会社で、買ってきたタピオカミルクティーを飲んだBさん。
すると…
Bさん「気持ち悪っ…」
突然、体調不良を起こしてしまったのです。
答えは…タピオカにイカスミ色素が入っていた
黒いタピオカはイカスミ色素で着色されていることがあります。
Bさんは甲殻類アレルギーでした。
甲殻類アレルギーの人の中には、イカやタコにもアレルギー反応が出ることがあります。
そのため、甲殻類アレルギーの人がイカスミで着色されたタピオカを飲むと、アレルギー症状が出てしまう場合があるのです。
ケース③:牛乳アレルギー
小学校に入学してから、C君は毎日のようにぜぇぜぇとせき込んで帰ってくるようになりました。
学校ではもちろん牛乳は飲んでいません。
答えは…チョーク
「チョークにはカゼインナトリウムという成分が含まれていることがあります。これは牛乳アレルギーのもととなるたんぱく質、カゼインの1つなのです」
C君、学校では一番前の席だったため、チョークの粉を吸い込んでいたと考えられるのです。
その後、カゼインナトリウムが含まれていないチョークに代えてもらうと、発作は出なくなったそうです。
子どもがアレルギーにならないためには?
「極論なんですが、昔はすごくアレルギーの子どもが少なかったですよね。つまり土があって家畜がいてという昔ながらの田舎の環境で育てれば、アレルギーになる確率がぐっと下がると思います」
「大事なのは0歳児です」
おわりに
アレルギー、意外なところに原因が隠れていたんですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。