2019年11月26日(火)放送の『たけしの家庭の医学』。
『危険な冬、直前!心臓を老けさせない4大新事実を公開!』というテーマで放送されました。
『570人』…これ、なんの数字だと思いますか?
寒さが厳しさを増す11月から死亡者が増え始め、年間では20万人もの人が心疾患により命を落としているのです。
そこで今回は
②心臓の老化を進める動脈硬化サイン
③心臓の血管の老化を止める若返りホルモン
④心臓を守るスーパーホルモン
の4つの新事実を緊急大公開!
教えてくれるのは、『東京都健康長寿医療センター』副院長の原田和昌先生。
現在は心不全患者の治療に関する報告書の策定委員も務める、日本屈指の心臓の名医です。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
心臓病の死亡リスクを下げる運動
2006年、世界五大医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』で、ある論文が発表されました。
それは、30歳以上の男女8万人を対象に『普段の運動と心血管疾患による死亡リスクの関係』を追跡調査したもの。
すると、ある運動を行っている人は、まったく運動をしていない人より心臓病による死亡リスクを大きく下げることが分かったのです。
その運動とは…テニス
ちなみに水泳は41%減、エアロビクスは36%減、ランニングは変化なしでした。
スポーツの中でもハードな動きが求められるテニス。
①心臓若返り栄養素
とはいえ、
「テニスなんてしたことない…」
「定期的に運動するなんて無理…」
とお嘆きのあなた、ご安心ください!
テニスをしなくても、同じように心臓を若く保つことができる可能性があるんです。
「ある食生活をしている地域の人は、そんなに運動しなくても心臓を若く保てる可能性があるんです」
その地域とは…岩手県の広範囲
その地域の方々は食生活によって、テニスをしていなくても心臓を若く保っている可能性があるというのです。
さっそく岩手県盛岡市に向かい、調査をしてみることに。
まずは岩手の皆さんの心臓の状態を確認。
ご協力いただいたのは岩手県内在住で、心臓が気になりだす60~70代の男女6名。
どの方も今現在テニスを含めた運動習慣はなし。
皆さんに受けていただいた検査は『心配運動負荷試験』。
医療の現場でも使われている、精度の高い検査なんです。
比較のために、元プロテニスプレーヤーで“テニス界のレジェンド”の神和住純さん(72歳)にも検査を受けてもらいました。
その結果…
心臓年齢…実年齢以上
心臓年齢…実年齢-17歳
心臓年齢…実年齢-26歳
心臓年齢…実年齢-18歳
心臓年齢…実年齢以上
心臓年齢…実年齢-4歳(神和住純さん)
普段運動をまったくやっていないのに、現在もテニスのトレーニングを続けている神和住純さんを超える方が3名も!
その中の一人、心臓年齢が36歳(実年齢-26歳)だった菊地章さん(62歳)の普段の食事を覗かせていただくことに。
向かったのは、盛岡から1時間ほど南下した奥州市水沢。
そして、食事のあとは南部鉄器で沸かしたお湯でお茶を入れます。
実は、菊地さんが勤めているのは1848年に創業した南部鉄器の製造会社。
7代目の菊地さんは60代を超えた今も現役で働いているのです。
心臓を若返らせる栄養素、その正体は…鉄分
「鉄分が心臓を若く保つことができると考えられています」
「私たちの体の中には、だいたい3~5gの鉄分が含まれているんです。この鉄分が様々な働きをして、身体を健康に保っているんです」
「私たちの病院でも、鉄分が足りない高齢者がかなりの数いるということが分かってきたんです」
「実際に高齢者の方に鉄分を補給すると、心不全が改善したり心臓が元気になるということが知られています」
鉄分は人間の体を動かす大切なエネルギー源。
↓
エネルギーを作るミトコンドリアが活性化
↓
心機能がアップ
加齢で弱った心臓もしっかり動き、若々しく保てると原田先生は言います。
通常、鉄分は肉や魚などの食材から摂取しますが…
そんな大切な鉄分を、岩手県の盛岡市や奥州市の方々は南部鉄器を使うことで上手に摂取。
心臓を若々しく保っていると考えられます。
ちなみに、豆腐とほうれん草の味噌汁。
1杯分の鉄分は0.78mgですが、鉄鍋を使って数分加熱して作ると…
鉄器を使わない…0.78mg
鉄鍋…4.43mg
なんと、およそ6倍に!
その他の心臓年齢が若かった皆さんも、毎日鉄器を使った生活をしていました。
鉄分不足の簡易検査『あっかんべーテスト』
そんな私たちの体にとって、欠かせない栄養素である鉄分。
これが体の中に足りているかどうかを簡単にチェックできる検査法があるのです。
鉄分が足りているか分かる『あっかんべーテスト』。
医療現場でも実際に行われている、鉄分不足による貧血の簡易検査です。
1.まぶたの下を押し下げ、あっかんべーをする
→まぶたの下が赤い…正常
→まぶたの下が白い…鉄分不足の可能性あり
②心臓の老化を進める動脈硬化サイン
実は近年の研究で、心臓の血管が動脈硬化を起こすと、とあるサインが身体の表面に現れることが分かってきました。
このサインをチェックすれば、心臓の老化具合を早期発見できるのです。
そのサインとは…耳たぶにシワができる
「アメリカの研究で高齢者264人を10年間追跡調査したところ、耳たぶにシワのある人の心疾患の発症率はシワのない人に比べて約2倍と報告されました」
「もともと耳たぶを走る血管は少ないんです。その耳の血管に動脈硬化が起きると、耳たぶが栄養不足に陥ってしまってシワが深くなると考えられています」
「はっきりした理由は分かってないんですが、耳の血管と心臓の血管の動脈硬化の度合いというのが、ほぼ同じくらいではないかと考えられています」
「ということで、耳たぶのシワは『心臓の血管の動脈硬化のバロメーター』という風に考えられています」
③心臓の血管の老化を止める若返りホルモン
近年、ある食材を口にすると心臓の血管を柔らかくする効果が認められているホルモンが、より多く分泌されることが分かっていました。
しかも、この食材を口にするとすぐにホルモンが分泌。
即効性も期待できるといいます。
そのホルモンを多く分泌する食材とは…するめ
「心臓の血管を若返らせるホルモンというのは“GLP-1”というホルモンなんです」
「心筋梗塞の原因というのは、心臓の血管に溜まったプラークなんです。GLP-1はこのプラークを取り除いたり、血管を柔軟にして若々しく蘇らせてくれると言われています」
「実際大事だったのは、食材そのものよりも『どれだけ噛めるか?』ということが大事だったんです」
「ガムは証明されていませんが良いと考えられています」
「最新の研究で証明されているのは、噛む回数が多いほどGLP-1が多く分泌されると言われています。するめが硬いので、たくさん噛めばGLP-1が増えるということは分かっています」
「噛むことは全身の健康に非常に重要だと言われていますので、他の食材でも増えるという可能性はあると思います」
④心臓を守るスーパーホルモン
最新の研究によって、このホルモンは心臓そのものを丈夫にするばかりか、心筋梗塞から心臓を守る効果をも期待されているのです。
しかもそのホルモンは、ある食材を食べ続けることでより多く分泌されると言われています。
その食材とは…オリーブオイル
そのオリーブオイルをよく使うイタリア料理の石塚充シェフ(55歳)。
実際に心臓の状態はどうなのか、石塚シェフの心臓年齢を調べてみました。
その結果…心臓年齢はなんと20代!
実年齢より35歳も若いという結果になりました。
「心臓を丈夫にするホルモンとは、“オメンチン”なんです」
「その働きについて、名古屋大学の循環器内科の大内乗有先生が近年、詳しい研究をされています」
マウスの心臓に心筋梗塞を起こさせ血流が途絶えると、心臓の筋肉が壊死します。
「これは心臓への血流が途絶えても、そのまま心臓が動き続けることができるということを示しています」
「まさに不死身のスーパー心臓と言ってもいいと思います」
「(オメンチンを多く分泌させる食材が)オリーブオイルなんです」
「現在研究中で100%結論が出ているわけではないんですが、オリーブオイルを摂るとオメンチンが増える傾向にあるということが示されています」
「さらに、オメンチンというのは内臓脂肪から出ると言われていますが、肥満体型の人の内臓脂肪からはオメンチンはあまり出ないんですね」
「オリーブオイルは肥満を抑制する作用があって、それも関係してオメンチンが多く出るんじゃないかと考えられています」
心臓の4大新事実まとめ
②心臓の老化を進める動脈硬化サイン→耳たぶのシワ(心臓の血管の動脈硬化のバロメーター)
③心臓の血管の老化を止める若返りホルモン→GLP-1(するめなど硬いものを噛むことで分泌される)
④心臓を守るスーパーホルモン→オメンチン(オリーブオイルを摂ることで多く分泌される)
鉄分とオリーブオイル、ぜひ毎日の食生活に取り入れていきたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。