2020年3月3日(火)放送の『たけしの家庭の医学』。
『体内時計で不調を改善SP 新型コロナウイルス予防も期待 【体内時計】を整えて免疫力アップ』というテーマで放送されました。
日本列島をパニックに陥れている新型コロナウイルス、感染者は増え続け終息へと向かう気配はありません。
感染拡大を食い止めるべく、一人一人の対策が急務です。
ワクチン開発にはまだ時間がかかるといわれ、まさに私たちの生活は四面楚歌…
だからこそ、たとえウイルスが体内に侵入してきても、自らの免疫力で撃退して重症化させないことが大事なんです。
そんな免疫力をアップさせる方法として、医学界が注目しているのが…2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞した研究なんです。
教えてくれるのは、“体内時計の権威”である女子栄養大学副学長の香川靖雄先生。
中でも、栄養学に体内時計の概念を持ち込んだ『時間栄養学』と呼ばれる分野においては、まさに草分け的存在として国内外の研究をリード。
臨床の現場にも、体内時計を考慮した治療を浸透させるべく尽力されている、日本における第一人者の名医です。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
体内時計の役割とは
実は私たちの体内には24時間、身体のさまざまな機能を管理する時計があります。
反対に、不規則な習慣を続けていると体内時計が狂って時差ボケのような状態に。
体内時計を乱す5つの生活習慣
協力してくれるのは、都内に住む鈴木美佐子さん(58歳)。
高血圧の基準は上が135mmHg以上ですが、鈴木さんの血圧は上が150mmHgもあったんです。
体内時計の権威である香川先生に、鈴木さんの体内時計を乱す悪い生活習慣を指摘してもらいました。
①起きる時間がバラバラ
②朝起きて光を浴びない
③朝食を食べない
④昼間ゴロゴロして動かない
⑤お風呂に入る時間
理想的なのは朝起きる時間に向けて体内時計が活動を開始、起床時にピークを迎えその後は徐々に活動が低下していくと言われています。
しかし10年以上高血圧に悩まされている鈴木さんの体内時計は、朝起きる時間になっても上がり切らず、起きてからおよそ3時間経過したところでようやくピークに達していました。
そこで香川先生の指導のもと、この乱れた生活習慣を10日間改善してもらいました。
①起きる時間がバラバラ②朝起きて光を浴びない
普段は起きる時間が毎日バラバラだという鈴木さん。
この日は午前7時30分に起床すると、カーテンも開けずに血圧をチェック。
「朝はやはり光を浴びて、時計遺伝子の一番大事なところを起こして活性化されていく、そこが一番大事ですね」
起きたらまず朝日を浴びる
朝日の刺激が目から入ることで脳の体内時計が活動を開始
また、毎日起きる時間がバラバラなのも体内時計を狂わすことになるといいます。
さらに、起きたらすぐにカーテンを開けて太陽の光を浴びてもらいました。
③朝食を食べない
気がつけば朝食を取らずにそのまま出かけてしまった鈴木さん。
「脳が光で活性化したら、少なくとも2時間以内に朝食を摂るのが一番いいんです」
毎朝定時に朝食を食べることで、胃や腸などの内臓の体内時計が正しく動き出してくれるんです。
④昼間ゴロゴロして動かない
昼食を食べ終えた後、午後のひと時はのんびりテレビを見て過ごすという鈴木さん。
「昼間の人間の身体は活動するときは交感神経が働いて、休んでいるときは副交感神経が働いて、それが交互に起こっていないと体内時計にとっては非常にくないんです」
体内時計にとって大切なのは運動と静養を交互に繰り返すこと。
どちらか片方だけになると、体内時計が正確に時を刻めず乱れる原因になるんです。
ちなみに、お昼寝をするなら昼食後すぐに20分程度がオススメ。
それ以上だと昼食の血糖値が上がり始めるので、血管や内臓に悪影響を与える可能性があります。
⑤お風呂に入る時間
以前はお酒を飲んで帰宅すると、お風呂にも入らず寝入ってしまうこともあったという鈴木さん。
当然、入浴時間もバラバラでした。
1日の中で、人は夕方から徐々に体温が下がり始めます。
そしてお風呂に入って一度体温が上がると、今度は体内時計がおよそ90分後に急激に体温を下げるように身体に指令を出します。
すると自然と眠気がやってきて、心地よい眠りにつくことができるといいます。
乱れた生活習慣を10日間改善した結果
すると以前は上が150mmHgあった血圧が、上が130mmHgにまで下がったんです!
①毎朝同じ時間に起きる
②朝起きたら光を浴びる
③朝食には炭水化物・たんぱく質・DHA/EPAを摂る
④日中なるべく活動的に動く
⑤寝る1時間半前に入浴
体内時計を整える3つの食材
体内時計を整えるサンドイッチ
答えは…ツナサンド
体内時計を整える飲み物
答えは…緑茶
緑茶を飲むことで乱れた体内時計が少しずつ正常に戻ると考えられています。
体内時計を整えるおつまみ
答えは…枝豆
そのため、葉酸が不足すると体内時計が正確に時を刻むことが難しくなると考えられています。
同じ大豆でも、豆腐は製造過程で葉酸が大幅に失われてしまうんです。
体内時計で不調を改善!
体内時計を整えて不眠症改善
答えは…夕方
人の眠りを調整しているのが『メラトニン』と呼ばれる睡眠ホルモンです。
この睡眠ホルモンがしっかり分泌されるほど、睡眠の質が上がるといわれています。
逆に、朝や昼など睡眠ホルモンが出ていないときに運動しても、分泌量は上がらないことが分かっています。
仕事終わりの夕方6時~6時半のおよそ30分間、早足でウォーキングに励んだ鈴木さん。
体内時計ダイエット
半年前からグイグイ体重が増え続けている森田さん。
毎月1kgづつ増え続け、この半年間で50kg→56kgに。
肥満度を表すBMIは25.6(25以上は肥満)。
「なんとか体重増加を食い止めたい…あわよくば減らしたい…」
しかし、香川先生いわく「間食をやめなくても体重増加は止められる!」。
「一日の中に脂肪をため込みやすい時間と、ため込みにくい時間があります。ですからため込みにくい時間に食べればいいんです」
答えは…午後3時(昼食と夕食の間)
つまりこの時間帯であれば、間食しても身体に脂肪がたまりにくくなる可能性が高いということなんです。
朝食後や夕食後など、複数の時間帯で合計780kcal(ご飯3杯分)もの間食をしていた森田さん。
10日間の検証で、森田さんにはできるだけ午後2~3時の間に間食してもらうことにしました。
量は気にせず今まで通りでOK。
これまでのペースなら、10日間で体重はおよそ300gほど増える計算になりますが…
・夜は脂肪をため込みやすい時間帯
・間食や高カロリー食は午後3時ごろ食べる
・夕食は午後8時までに食べ終えるのが理想(朝7時ごろ起床の場合)
・夕食がどうしても遅くなる人は、夕方6時ごろに少し食べて夜食べる分を減らす『分食』がオススメ
体内時計を整えて学力UP
脳細胞の時計を整えて活性化させれば成績アップも夢ではないと、香川先生は言います。
その活性化のポイントは朝食。
答えは…3品以上食べる
食べない…216.7点
1品…230点
2品…252.5点
3品以上…262.8点
※400点満点のテスト
熊本県学力調査(小学3~6年生およそ6000人対象)
休みの日以外は朝ご飯を食べないという詠ちゃん。
そこで詠ちゃんには1週間の間、毎日3品の朝食を食べ続けてもらうようにしました。
さらに翌日、学校で受けた算数のテストはなんと!100点満点という結果に。
おわりに
①毎朝同じ時間に起きる
②朝起きたら光を浴びる
③朝食には炭水化物・たんぱく質・DHA/EPAを摂る
④日中なるべく活動的に動く
⑤寝る1時間半前に入浴