2019年6月11日(火)放送の『名医とつながる!たけしの家庭の医学』。
『名医監修!日本人の身体の3大不調徹底改善SP 治らない【腰痛】の新原因』というテーマで放送されました。
突然ですが、腰痛に関する3つの問診を行います。
問診② 靴や靴下を履くのが遅くなった
問診③ 以前より人にぶつかるなど人混みが苦手になった
1でも当てはまったというあなた…その腰痛は新原因を持つ可能性が!
また、現在腰痛のない方でも当てはまったら将来発症の危険性があります。
しかし、原因が特定できるのは全体のわずか15%。
特定できない残りの85%に含まれるのが、今回新たに分かった腰痛の原因なんです。
教えてくれるのは、『国立長寿医療研究センター 整形外科部長』の酒井義人先生。
これらをまとめた論文が腰痛治療の発展に大きな影響を与えたとして、『日本腰痛学会 最優秀論文賞』を3度も受賞。
日本の腰痛治療を支える名医です。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
『腰痛の新原因』とは?
新原因による腰痛の特徴を酒井先生が教えてくれました。
「若い頃はあまり腰痛がなかったという方が年を取るにしたがって腰痛を起こしてきた、なかでも60歳以上になって腰痛を自覚するようになった方」
「これは『腰痛の新原因』の可能性があります」
酒井先生によると
②高齢になって腰痛を自覚
この2つの条件に当てはまる腰痛は、新原因による可能性が高いといいます。
今回番組ではこの2つの条件に当てはまる人に、新原因による腰痛の人がどれだけいるのか検証しました。
協力してくれたのは、高齢になってからなぜか腰痛になったという60歳以上の男女5名。
靴下が履きづらい、柱に足をぶつけるなど『腰痛に関する3つの問診』に5名とも該当する項目がありました。
新原因を特定する『足踏みチェック』
今回、皆さんにやって頂いた検査が『足踏みチェック』。
・基点となる場所に立って、その場で100回足踏み
・周りが見えないようアイマスクを着用
・太ももはなるべく高く上げる
医療の現場でも行われているこの検査。
腰痛の新原因を持つ方が行うと、最初の基点から1m以上ずれてしまうんだそうです。
ちなみにこの『足踏みチェック』を健康な方に行ってもらうと、見事1m以内に収まりました。
では腰痛に悩む皆さんは…なんと5名全員が1m以上ずれてしまうという結果に。
中には足踏みしながらその場でぐるりと1周してしまった方や、3m以上ずれて撮影機材にぶつかりそうになり強制的に終了させられた方まで…
つまり、5名全員が新原因の可能性ありです。
腰痛の新原因は『下半身の筋肉の衰え』
では高齢になってから発症し、どこの病院でも分からない腰痛の新原因とは何なのでしょうか?
「人間は60歳ぐらいを境に全身の筋肉が衰え始めます」
「そうすると、一番人間の身体の中で筋肉が多い下半身の筋肉から衰えるんですね」
そう、酒井先生が唱える腰痛の新原因とは…『加齢による下半身の筋肉の衰え』。
私たちは誰でも加齢に伴って全身の筋肉が衰え始めます。
中でも下半身の筋肉は上半身の筋肉に比べて、大きい分衰えるスピードが早いと言われています。
そこに腰痛の原因が隠れていると酒井先生は言います。
「筋肉が衰えることによって、筋肉の中に含まれる身体のバランスを保つセンサーも衰え始める」
「そうすると人間はバランスを保つために上半身に負担をかけてしまうんですね」
私たちの筋肉の中には身体のバランスを保つセンサーが無数にあります。
そのセンサーが筋肉を正常に動かしてくれることで、まっすぐ立てたり転ばずに歩けたりできるんです。
このとき、働きが弱くなった下半身と頑張って働く上半身に挟まれて一番負担掛かるのが…そう、腰。
この負荷こそが腰痛を発生させる新原因だと酒井先生は言います。
先ほどの足踏みチェック、実は下半身のセンサーが正常に働くのかを調べるものだったんです。
センサーが衰えれば衰えるほど身体のバランスが崩れて、元いた場所からどんどん移動してしまうのです。
実験に参加した5名の身体のバランスを医学的な検査で調べてみます。
ちなみに健康な方がこの検査を行うと、上半身よりも下半身のセンサーの方が強いという結果が出ました。
このように、下半身のセンサーが衰えてくると自分で思った動きが正確にできなくなって少しズレが生じてきます。
その結果、冒頭の問診のような症状がよく起きるようになるんです。
下半身のセンサーの衰えがわかる『足上げ角度チェック』
「上半身と下半身のバランスが崩れてしまうと、その真ん中にある支点となる腰を痛めてしまうということになるんですね。そして腰痛が発生してしまう」
「このとき筋肉と共に衰えてしまうのが下半身のセンサーなんです」
下半身のセンサーの衰えがわかる『足上げ角度チェック』。
・イスに座った状態で、まず右足を前に上げる
・次に目を閉じてから、左足を右足と同じ角度に上げる
腰痛改善!『ぴったりステップ脳トレーニング』
「筋肉の中のセンサーが衰えますよね。そうするとそのセンサーを鍛えるということが必要なんですが、特に高齢者の場合それほど容易ではないんですね」
「ですので筋肉にあるセンサーが衰えてしまったのなら『センサーから送られる情報を受信する脳のトレーニングをして補ってあげればよい』という発想なんです」
「これをすることによって腰痛が改善される可能性があります」
私たちがしっかり歩くことができるのは、頭で思った動きを下半身のセンサーが捉えて足を正しい位置に運んでくれるからです。
しかし、下半身のセンサーが衰えると頭で思ったように正確に足を動かせなくなり、正しい位置から足が少しズレてしまうんです。
ではどうすればいいのでしょうか?
酒井先生がおススメする腰痛改善法は『ぴったりステップ脳トレーニング』。
使うのは、ご家庭にあるタオルなど対で2つ用意できるものであれば何でもかまいません。
①まず床に一つ目のタオルを置く
②そのタオルのふちに足のかかとを合わせて立つ
③そして一歩踏み出す
④踏み出したつま先に合わせて、もう一つのタオルを置いたらセッティング完了
⑤あとは先ほどと同じように、タオルのふちに足のかかとを合わせてからもう片方のタオルに向かって踏み出すだけ
※踏み出したつま先がもう片方のタオルのふちにぴったり合うように行う
脳に正しい位置をしっかり覚えさせるためです。
右から左へ1回、そして左から右へ2回目。
これを10回繰り返して1セット。
行う時間はいつでもいいですが、1日に5セットを目標に行うことで、
↓
上半身と下半身のバランスが改善
↓
腰への負荷が減り腰痛が改善する
と酒井先生は言います。
そこで番組では、この改善法を2週間実践してどれだけ下半身のバランス力が改善し、腰痛が解消するのかを検証しました。
検証に協力していただくのは、井浦澄江さん(72歳)。
目隠しをした『足踏みチェック』でその場でぐるりと1周してしまい、1m9cm(基準値1m以内)も移動。
下半身のセンサーが衰えていることが判明した参加者の方です。
普段、痛みが起こりやすいという掃除機を使ったお掃除の様子を見せてもらいました。
『ぴったりステップ脳トレーニング』をレクチャーされた井浦さん、その簡単さにやる気が出た様子。
井浦さん、ステップの目印作りに使うのは家にあった靴ひもです。
失敗を繰り返しながらもめげずに続けること2週間。
そして検証最終日、以前より足の動きがスムーズに。
さらに、連続して正しい位置に足を置くことができるようになっていました。
「スッとしてますね。(脳と足が)繋がってると思います」
「どこか枝葉に言っていたのがスーッと1本繋がっている気がします」
ではこの脳トレーニングによって腰の具合はどうなってしょうか?
最も腰が気になっていた、掃除機での掃除の様子を見させていただくと…
これも改善法のおかげなのでしょうか。
以前より腰の痛みも劇的に減ったようです。
「なんかルンルンなんです♪腰の痛みを忘れてるような感じです」
「今言われて初めて『えっ?』っていう感じです」
わずか2週間の『ぴったりステップ脳トレーニング』で、腰痛改善の効果を実感できたという井浦さんでした。
おわりに
『ぴったりステップ脳トレーニング』、簡単に実践できそうですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。