2023年10月21日(土)放送のテレビ朝日『中居正広のキャスターな会』お金の話な会。専門家が教える「初歩から聞く投資の疑問Q&A」と投資信託「新NISA」の始め方を紹介します。
教えてくれるのは経済評論家として数多くの連載を持つお金の専門家で、中央省庁などに対するコンサルティング業務にも従事されている加谷珪一さんです。
テレビで紹介された放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
銀行に預けっぱなしで良い?初歩から聞きたい投資のギモン
銀行の預貯金に高い金利がついたのはもう過去のこと。
銀行に預けても増えないなら自分のお金を活かすには他にどんな選択肢があるのか?
経済評論家の加谷珪一さんに詳しく解説してもらいます。
銀行預金だけで大丈夫?
一昔前は金利が非常に高かったので銀行に預けているだけでどんどんお金が増えていきました。
・バブル期…金利が多いところで5~6%→100万円預けると年間5~6万円増。
・現在…定期預金の金利は約0.002%→100万円預けると年間約20円増。
2023年の現在は100万円を銀行に預けても1年間でたったの20円増えるだけ、手数料よりも少ないんです。
そもそも投資とは?
たとえばある会社の「株」という鉢植えにお金を投じ、将来大きく育てたいという目的を持って行うのが投資です。
その会社の株を買うことで、その後に会社がうまく成長してくれれば将来大きなリターンを得ることができます。
投資で大切なのはリスクの分散
投資という鉢植えは太陽が照るときもあれば雨が降るときもあるので、じっくり待つことが基本になります。
もちろん、お金を投じても数年後には枯れてしまうリスクもあります。
そうならないように最も重要なのが、1個の鉢植えを育てるのではなくたくさんの鉢植えを同時に育てること。
枯れるものもあれば変わらないものもあり、うまく成長するものもある、これを金融の世界では「リスクを分散する(分散投資)」と言います。
やっぱり損をするリスクは高い?
・預貯金…リスク(小)・リターン(小)
・株式…リスク(大)・リターン(大)→企業が得た利益の一部を株主に還元する「配当」が貰える。
ただし自分が投資している会社が倒産する可能性もあり、その場合は保有している株がただの紙切れになってしまうというリスクもあります。
初心者が始めやすい投資は?
そこで初心者が始めやすいのが、運用をプロに全てお任せする「投資信託」です。
・30代…26.8%
・40代…25.2%
・50代…26.6%
※投資信託協会、去年9月の調査から
投資信託とは簡単に言うとプロが選んだ株の詰め合わせのことです。
信託=信じて託すという言葉の通り、プロの人がどのような組み合わせにすると一番安全にかつ利益が出るのかを考えて、投資をした本人に代わって運用を行うこと。
私たちはそこに資金を投じ、運用の結果として出てきた利益を会社を通じて受け取るというものです。
・投資信託…リスク(中)・リターン(中)
もっと安全運用をする投資信託の場合だとリスクもリターンもより少なくできるものもあり、またその逆もあります。
なので政府は「できるだけ長くコツコツと長期で積立投資をしていくことでリスクをより減らすことができる」と国民に呼びかけています。
競馬のようなゼロサムゲーム(利益と損失を合わせると±0になること)とは違い、株の場合は会社が順調に成長していけば投資をした人全員が勝つという場合もあり得るんです。
プロに預ければ損はしない?
投資のプロは一定のルールに従って運用しています。
しかしきちんと手順に沿って運用していたとしても、リーマンショックのように全ての商品が暴落するような出来事が起きると市場全体が落ち込んでしまい、投資した金額の元本を大きく割ってしまう可能性もあり得ます。
プロに任せたからといって必ず増えるわけではないということを頭に入れておく必要があります。
投資のトラブルで気を付けることは?
投資を始める際の注意事項には「投資にはリスクが伴うので自己責任でお願いします」という文章が必ず書かれています。
また銀行や証券会社で売っているような商品であれば大丈夫ですが、個人で資金を集めて運用しているようなファンドの場合は詐欺の可能性もあるので注意が必要です。
最近よく聞くNISAって何?
来年から新制度がスタートするのがNISA(ニーサ)です。
たとえば投資で10万円の利益が出た場合…
・通常…利益の約20%に課税→受け取れるのは約8万円
・NISA…非課税→受け取れるのは丸々10万円
投資で利益が出れば出るほど、それに対して課税される約20%の税金が重荷になっていきます。
NISAはその課税が一切ないので投資の中でもお得な制度と言えます。
来年から始まる新NISAとは?
NISAは国民が長期で老後の資産を形成できるようにするため非課税で投資ができるようにと始まった制度です。
現在のNISA制度は非課税で利益を受け取るには投資金額や期間に制限があります。
もっと持っていたいのに非課税期間が10年間なので売らなければならなくなったなど、使い勝手が良くない側面もありました。
そこで来年から始まる新NISAの最大のポイントは「非課税期間の延長」です。
・現在…最長20年
・来年~…無期限
NISA株をいつまで持っていても税金がかからなくなるので、長期的に投資をすれば金額も大きくなってより得をするという制度です。
※投資はリスクがつきものなので余裕資金の範囲で行ってください。
いざ株購入!まずどうしたら良い?
株を買うにはまず証券会社に口座を開くことが第一歩になります。
①証券会社に口座を開設
②口座に入金
③株の銘柄を選んで購入
現在はネット証券があるので自宅からネットを通して証券口座を開くこともできます。
口座に入金する金額は1万円など少額からでもOK。
専門家は100万円をどう運用する?
経済評論家でお金の専門家である加谷珪一さんが、投資信託を活用した100万円のおすすめ運用方法を教えてくれました。
銀行預金ぐらいだとあまりにも増えないので、ちょっとは勝負したいなと思います。日本の凄く有名な安定した会社の企業の株を6~7割くらい。日本だけだとリスクがあるかもしれないので、アメリカとかヨーロッパの凄く有名で安定した会社の株を3~4割。そういう組み合わせになっている投資信託というのが今の私だったら買う。ここで日本の比率を高くしたのは、日本人ならおそらく日本の会社の方が馴染みがあるから。どの会社か分かりやすい。
100万円を一度に投資して放置するよりも、たとえば年間10万円でいいので10年、20年、30年と新NISAを使ってコツコツと積み立てて投資をする方がおすすめ。
今年100万円を全額投資したとして、仮に来年またリーマンショックのような出来事が起きた場合はガクっと下がってしまいます。
これを元に戻すにはかなりの期間が必要になりますが、毎年少しずつ積み立てて投資していれば、下がったときにも投資をして上がってくる過程でも投資をすることになり、利益と損をより平準化できるんです。
おわりに
投資のQ&Aと新NISAの始め方、ぜひ参考にしてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。