2019年11月23日(土)放送の『世界一受けたい授業』。
『今年は3か月も早く流行中!インフルエンザから身を守る最新対策』というテーマで放送されました。
異例の早さでインフルエンザが流行中。
例年12月からですが、今年はなんと9月から流行!
昨年の同時期と比べると患者数は9倍。
沖縄では8月にインフルエンザ注意報が発令され、東京では9月から学級閉鎖が相次ぎました。
一体なぜこんなに早く流行したのでしょうか?
理由は…よく分かっていないんです。
今年はラグビーワールドカップ開催で観光客が急増しました。
そのため、季節が逆の南半球のウイルスが運ばれてきたという説がありますが、これはウソ!
なぜなら、日本で流行った型と南半球で流行った型は別モノだったのです。
このように簡単に理由が分からないからこそ、インフルエンザは毎年流行るのです。
教えてくれるのは、インフルエンザワクチン研究の第一人者『国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター』の長谷川秀樹先生(52)。
「インフルエンザは何よりも予防が大事。最新の対策法をお教えします」
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
ウイルス撃退にはエタノール消毒
答えは…エタノールで手を消毒
「薬局などでも売っていますけれども、手のひらに全面に吹きかけて揉み込めばOKです」
「インフルエンザウイルスはエタノールに非常に弱いので、国立感染症研究所ではエタノールを水で70%に薄めて、それを自家製の消毒液として霧吹きに入れて使っています」
トイレに行ったあとや外から帰ってきたときは、なるべくエタノールで手を消毒するようにしましょう。
うがいはインフルエンザ予防になる?
答えは…さほど予防にはならない
「ウイルスは喉に侵入してから数十分のうちに感染してしまうんです」
「数十分おきにうがいをすれば効果があるかもしれませんけれども、1日に数回のうがいではインフルエンザの予防にはあまり効果がありません」
「私のおススメとしては、うがいの代わりに飲み物をちびちび飲むこと。喉をつねに湿らせておくことによって、喉の粘膜の免疫力をアップするのがおススメです」
首相官邸のホームページにも…
と書かれています。
外部リンク:首相官邸ホームページ「(季節性)インフルエンザ対策」
マスクの着用はインフルエンザ予防になる?
答えは…予防にはならない
一般的なマスクの場合、網目よりウイルスはずっと小さいので、咳のしぶきは防げてもインフルエンザウイルスを防ぐ効果はないのです。
「ただし、すでにかかってしまっている人は咳やくしゃみで他の人に移してしまう可能性があるので、マスクは非常に意味があって重要です」
「ポイントは一度外したら捨てる。何回も使わないということと、表面は触らないことが重要です」
予防接種の効果はどれくらい?
毎年微妙に変化しているインフルエンザウイルスは、代表的なものだけでもその数409株。
一方、予防接種に入っているワクチンはたった4株。
一体どうやってこの4株を決めているのでしょうか?
ここでどのワクチンにするか決めているのです。
ちなみに、長谷川秀樹先生はそのワクチンに入れる株を選定している一人だそう。
ワクチンの効果はおよそ半年。
予防接種によるワクチン効果の研究では…
発症リスク…約45%防ぐ
死亡リスク…約80%防ぐ
出典:厚生労働省「インフルエンザの基礎知識」
「結婚式や受験の日などが決まっている場合には、だいたいその2~3週間前までにワクチンを摂取しておくことが重要です」
「ワクチンを打って一番免疫が上がってくるのが、打って2~3週間後だからです」
「でも『もう打ったよ』って人もいるかもしれません。そういう方はもう1回打てばいいです。一般的に大人は1回となっていますが、2回打っても特に問題ありません」
必ず実践してほしい3つの予防法
①部屋の加湿
つまりその分、感染する危険性が高くなるのです。
「加湿器がない場合には、湯船にお湯を張った状態でお風呂場のドアを開けておく」
「空気がこもるのでこまめに換気をすることも重要です」
②ドアは直接手で触れずに開ける
みんなが触るドアノブはウイルス危険地帯!
だから肘で押したりティッシュを使ったり、直接触れないようにして開けると良いのです。
「『自分が触れる場所にはウイルスがついているかもしれない』という意識を持つことが重要です」
もしインフルエンザにかかったら『ビタミンCをたくさん取ると良い』と思われがちですが…これは間違い!
科学的根拠はなにもありません。
③歯磨き
なぜ歯みがきがインフルエンザ予防になるのでしょうか?
気道の粘膜はもともとタンパク質のバリアで守られているのですが、歯垢など口の中が汚れていると悪玉菌が発生。
その菌が酵素を出してこのバリアを壊してしまいます。
するとここに、ウイルスが張りつきやすくなってしまうのです。
「口の中の細菌は皆さんが夜寝ている間に一番増えていきますので、朝起きてからの歯みがきが重要になります」
「一昔前まではそうだったんですけれども、今は熱が出て全身症状が出て『インフルエンザだな』と思う場合には、早く病院に行った方がいいです」
「今はインフルエンザに対する薬もいろいろありますし、検査に関しましても早い段階でインフルエンザと診断づけるような高感度の検査計も開発されています」
予防に効果的!ヨーグルトスムージー
インフルエンザ予防には緑茶が良かったのを覚えていますか?
つまり、緑茶にはインフルエンザ感染を防ぐ効果が!
長谷川先生おススメのインフルエンザ予防ドリンク。
鼻・喉・胃・腸などはすべて共通の免疫システムを持っています。
そのため、腸を整えれば粘膜全体が正常に働いて喉も守るので、インフルエンザにかかりにくくなるのです。
「そこで今回私がおススメするのがヨーグルトスムージーです」
「ヨーグルトの乳酸菌が腸の中の善玉菌を増やして、バナナやキウイの食物繊維がそれらの菌のエサになるわけです」
「腸を整えるという意味で1日1杯」
材料はたった3つ。
・キウイフルーツ
・バナナ
おわりに
エタノール消毒、毎日心がけたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。