2019年8月13日(火)放送の『たけしの家庭の医学』。
『運動しても筋肉が衰える人が急増!【足腰が弱くなる】新原因&改善法』というテーマで放送されました。
都内だけでも15分に2人もの確率で骨折のリスクが。
次はあなたかもしれません…
「でも私は毎日ウォーキングして足腰を鍛えているから大丈夫!」
そう思った方もいるのでは?
でも実は、ウォーキングなどで足腰を鍛えている高齢者は年々増加しているにもかかわらず、つまずいたり転んだりする高齢者も増える一方。
教えてくれるのは、『板橋中央総合病院 内科統括部長』の塚本雄介先生。
世界でもっとも権威ある国際腎臓病ガイドライン機構『KDIGO』の厳選された15人の常任理事の1人として、世界初となる万国共通のガイドライン作成に尽力。
現在も日本だけでなくアジア各国に、腎臓病の知識や治療技術を広めるべく世界を飛び回っていらっしゃる、まさに日本を代表する腎臓の名医です。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
転ぶリスクが分かる4つの問診
次の4つのうち1つでも当てはまっていれば、いくら運動していても転ぶリスクが高い可能性があります。
問2.夕方などに靴がきつくなり、はきづらいと感じる時がある
問3.階段を上がっただけでも息切れや動悸がする事が増えた
問4.以前に比べて肌が乾燥してかゆみがある
立ち上がりテストで筋肉の衰えをチェック
では、どうして運動しても転倒のリスクが高くなってしまうのでしょうか?
「足腰の筋肉を維持しようと運動している方は最近多いと思いますが、それが無駄になっている方がいて」
「運動しているにもかかわらず筋肉がどんどん衰えていってしまう。そういう人がいることが問題になってきています」
塚本先生いわく、しっかり運動をしていても筋肉がなぜかどんどん衰えてしまう人がいるとのこと。
実は最新の研究論文で、一生懸命運動をしていても筋肉が衰えてしまう人について、こんな衝撃的な事実が明らかにされました。
というのです。
そこで今回の検証は、しっかり運動をしているのに筋肉が衰えているをあぶり出し、原因を探ってみることに。
検証にご協力いただいたのは、普段からせっせとウォーキングを行い、足の筋肉には自信があるという60代以上の4名の皆さん。
まずは、足腰の筋力の衰えを簡単にチェックすることができるテストで調べてみることに。
それが『立ち上がりテスト』
実際の医療の現場で行われるテストです。
うまく立ち上がれなかったりバランスを崩したりすると、足腰の筋肉が衰え始めている可能性有りということになります。
その結果…倉島正子さん(72歳)がクリアできず。
倉島さんと言えば、ノルディックウォーキングで7kmも歩いていると豪語していたのですが…
そこで、実筋肉に微量な電流を流すことで筋肉の量が測定できる機械を使って、太ももの筋肉量が何歳相当か測ってみることに。
すると、なんと!90代以上という結果に。
実年齢より20歳以上衰えていることが分かったのです。
そう、倉島さんこそが『しっかり運動しても筋肉衰えてしまうタイプ』だったのです。
ちなみに、立ち上がりテストをクリアした他の3名の方々は、実年齢相当または実年齢よりも若いという結果でした。
運動しても筋肉が衰える人の特徴とは?
塚本先生は、倉島さんのような「運動していても筋肉が衰えてしまう人が急増している」と警鐘を鳴らすのです。
自分が、運動していても筋肉が衰えてしまうタイプかどうか簡単に分かる方法とは?
「寝ているときの様子を見れば、その可能性を推測することができます」
尿意で目を覚ます夜間頻尿がサイン
そこで、運動しているのに筋肉が衰えていた倉島さんの、寝ているときの様子をチェックしてみることに。
すると、寝床に入って1時間ほど経った時点で倉島さんに変化が。
倉島さん、目を覚ましました。
そして向かったのはお手洗い。
どうやら、尿意で目を覚ます夜間頻尿のようです。
普段から尿意でよく目を覚ますという倉島さん。
一晩に最低2回は目を覚ますのが悩みだといいます。
ちなみに筋肉に問題がなかった他の3名には、夜間頻尿の方はいませんでした。
筋肉が衰える原因は腎臓の機能低下
この夜間頻尿こそが、運動しても筋肉の衰えが進むサインになっている可能性があると、塚本先生は言います。
「夜間頻尿にはいくつかの原因があります。その一つとして、腎臓の働きが落ちてきた場合に初期の段階で夜間に尿の回数が増えてくるということがあるんですね」
塚本先生が指摘するのは、腎臓の機能の低下。
そんな新たな考え方が、今世界中の医学界で注目されているのです。
冒頭の4つの問診、
・むくみ
・動悸・息切れ
・乾燥肌
そして夜間頻尿はすべて、腎臓の機能が落ち始めたときによく見られる主な症状でした。
では、一体なぜ腎臓の機能が落ちると筋肉の衰えが進んでしまうのでしょうか?
そもそも、筋肉細胞が必要とする栄養分を体内の脂肪を使って作り出しているのが、腎臓から分泌されるホルモン。
そのため、腎臓の機能が落ちるとそのホルモンが分泌されなくなるため、筋肉細胞が栄養不足に。
結果、いくら運動しても筋肉が衰える一方という事態に陥ってしまうのです。
筋肉が衰えていた倉島さんの腎機能を、血液中に増えてはいけない老廃物の量で調べてみると…
倉島さんの老廃物の量は正常値を超えて、初期の腎機能低下が確認されたのです。
「腎臓は健康を維持するとても大事な臓器の1つなんですが、サッカーに例えて言うとゴールキーパーのように全身の健康を維持する要になっています」
「腎臓が悪くなりますと、全身にいろいろな悪影響が出てくるということになるんだと思います」
どうして腎臓は悪くなる?
「腎臓は体の中でも特に細い血管が集まっている集合体なんです」
「腎臓の内部には毛糸の玉のようなものがたくさんあります。これは糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる毛細血管の塊なんですね。これがろ過装置となって血液から老廃物を濾し出して、尿を作っているわけです」
「これが1つの腎臓に健康な方は100万個あるんです。ですから2つで200万個。ところがこの装置が、高血圧になると次第に破壊されていくということが分かってきています」
「なぜ高血圧で壊れていくかというと、この毛細血管というのは髪の毛の10~20分の1の細い血管なんです」
「この目に見えないくらい細い血管に、太い血管から大量の血液が流れ込んでくるので、非常に血圧の影響が大きくなってとても負荷がかかっていくということになります」
その結果、腎臓の機能が低下。
筋肉の衰えが進み、つまずき・転倒のリスクが上がることに。
「いかにこの負荷が大きいものかと言いますと、例えば腎臓の毛細血管をストロー(直径1cm)だとします。そうするとここに血液を送り込んでいる太い血管というのは、石油タンク(直径50m)ほどの太さ」
「もっとも太い大動脈の太さは、腎臓の毛細血管の5000倍あります。ですから石油タンクからストローに大量の血液が流れ込んでくると。大変な負荷がかかっていることがお分かりになると思います」
「特に高血圧になるとその負荷が強くなって、200万個の糸球体が破壊されていくということになるわけです」
「壊れた糸球体は元には戻りません。しかし糸球体の数がある程度まで残っていれば、壊れた糸球体をカバーして腎臓の働きを維持してくれるということが分かっています」
「ですから高血圧の改善などでこれ以上糸球体が壊れることを防げれば、腎機能が回復してきますし筋肉もしっかりつけることが可能になるということだと思います」
『筋肉増強食材』とろろ昆布で高血圧改善
使うのは、『筋肉増強食材』とろろ昆布。
乾かした昆布の表面を、特殊な刃物でふわふわに削り出して作られるのがとろろ昆布。
実はこのとろろ昆布は、腎臓の大敵である塩分を排出する物質がもっとも多く含まれている食材の1つ。
それこそが…カリウム
カリウムは緑黄色野菜や果物、海藻に多く含まれるミネラルの一種です。
不足分をとろろ昆布に換算すると、およそ6g。
そこで、とろろ昆布生活で余分な塩分を排泄し、衰えた筋肉が蘇るのかを検証。
ご協力いただいたのは、腎機能の低下が原因で筋肉が衰えていた可能性が明らかになった、倉島正子さん(72歳)。
ちなみに健康な方だと、1日に摂取した塩分の80%を尿で排泄できるのですが…
倉島さんの尿を精密機器で検査したところ、尿から排泄できている塩分の割合はわずか47%でした。
健康な方の半分ほどしか、尿で塩分を排泄できていないことが明らかに。
そこで倉島さんには普段の食事内容を変えることなく、そこにとろろ昆布6g以上を加えていただきます。
※とろろ昆布には塩分が含まれているため、摂り過ぎには注意してください。
期間は1週間、果たして毎日の塩分排出量はどれだけ増え、筋肉はどう変化するのか?
キャベツの炒め物やざるそば、かぼちゃの煮つけにとろろ昆布を乗せて食べる倉島さん。
この日、倉島さんが食べたとろろ昆布は、目標の6gを大きく上回る16g。
いきなり効果が現れました。
翌日以降も、とろろ昆布を乗せたチーズトースト、とろろ昆布入りの錦糸卵を乗せた冷やし中華、とろろ昆布のお吸い物など、毎日の食事に効果的にとろろ昆布を取り入れていった倉島さん。
日課のノルディックウォーキングもしっかりこなしました。
塩分排出量は毎日コンスタントに80%前後までアップ。
そして1週間後…
そして、右太ももの筋肉量も2.15kg(90代以上)から2.23kgまで増加。
「今回、塩分の排泄量が明らかに増えていますし、なんと言っても血圧が安定してきていますよね」
「この1週間の結果でこれだけ得られるわけですから、もっと継続していけば筋肉量の回復が得られるんじゃないかと思います」
※腎臓病と診断された方は、カリウム摂取が制限される場合があるため医師に御相談下さい。
おわりに
毎日の食事にちょい足しとろろ昆布、実践していきましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。