2019年5月20日(月)に放送された『名医のTHE太鼓判!』。
「『血管・肺・肌の人間ドッグ』芸能人の余命宣告SP」というテーマで放送されました。
教えてくれるのは血管のスペシャリスト、東京都健康長寿医療センター副院長の原田和昌先生。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
花田虎上さんと内山信二さんの血管に重大な問題が!
心筋梗塞や脳梗塞などの血管疾患。
その血管の最新検査で重大な問題が見つかったのが、花田虎上さん(48歳)と内山信二さん(37歳)の2人。
2人とも血管の老化がかなり進行していたようです。
50項目にも及ぶ血液検査などを調べた結果、最も深刻だったのが『血管拡張率』。
一度血流を止めて再び流したときにどれくらい血管が広がるのかを測定したんです。
数値が低ければ低いほど血管が硬くなっているというサイン。
健康な血管では、圧力をかけると管は狭くなり開放すると広がります。
ところが硬い血管は開放しても広がらないんです。
元に戻らない血管は心筋梗塞や脳梗塞などを起こす可能性があるんだとか…
・花田虎上さんの血管拡張率は3.9%(48歳の平均は約6%)→重大な血管の病気になるまであと7年。
・内山信二さんの血管拡張率はなんと!1.3%(37歳の平均は約6.3%)→重大な血管の病気になるまであと1年。
2人ともすでに動脈硬化の症状が見られました。
血管を柔らかくする物質『NO』とは
血管が硬くなっている2人には、共通する『ある物質』が足りていないんだとか。
「2人の血管に足りていないもの、それは『NO』です」
「『NO(Nitric Oxide)』とは別名一酸化窒素といって、血管の内側から出て血管を柔らかくする物質なんです」
柔らかい血管は広がりやすく血流が良くなります。
つまりNOの量が多いほど血管拡張率が高く血管の状態が良いということが発見されたんです。
この発見には1998年にノーベル賞が与えられています。
NOの分泌を妨げる日常生活とは?
花田さんと内山さん、2人はNOが出にくい生活をしていたんだそう。
脂身の摂り過ぎ
花田さん「今日はこの肉を焼いて食べます」
「いい脂で!脂がサイコー!」
高級牛肉をステーキにして食べる花田さん。
「これはダメですね。脂身の食べ過ぎは絶対ダメです」
「脂身を摂り過ぎると血中のコレステロールが上がります。そして血中のコレステロールが上がるとNOの分泌を妨げるということが知られています」
脂身を食べ過ぎると血中にコレステロールが増えて血管に負担がかかります。
これがNOの分泌を妨げるとのこと。
塩分の摂り過ぎ
一方、豚の生姜焼きをおかずにして食べる内山さん。
脂身は花田さんが食べたステーキ肉よりも少なく、問題がないように見えますが…
なんと!カップ麺をみそ汁代わりに食べ始めた内山さん。
「途中までは良かったんですけどね」
「普通の食事に加えてカップ麺というのはどうしても塩分が多くなって。それを毎日続けるのは良くないです」
「血圧も上がりますしNOが出にくくなるという風に考えられています」
血圧が上がれば血管の負担が増します。
そして2人とも食べた後すぐに寝始めました。
「これはアウトです」
「『血糖値スパイク』という現象が起きるんですね。そうすると血管に傷がついて、それによってNOの分泌を妨げるという風に考えられています」
血管に負担がかかる生活習慣が、NOの分泌を妨げるんだそうです。
NOを増やす『海女さん生活』
「血管を若返らせ突然死を予防する方法は…海女さん生活です」
2019年1月24日付の読売新聞に驚きの記事がありました。
『65歳の海女 血管は19歳』
100人以上の海女さんの血管年齢を調べたところ、平均で11歳も若かったというのです。
内山信二さんが三重県志摩市を訪れて海女さんたちの生活を調査。
全員70歳以上だという志摩市の海女さんたち。
さっそく血管年齢を測定すると、4人全員の血管年齢が実年齢よりも若いという結果に。
最大で41歳も若いという結果が出た海女さんもいたんですよ!
①素潜りをする
水深5m、一回の潜水でおよそ40秒潜る海女さん。
「これはいいですね~。この素潜りのときにNOがたくさん分泌されているんです」
「体に水圧がかかると末梢血管にも圧力がかかります」
「海底から水面に上がる時に圧力から開放されますので、そうすると血流量が増えてNOがより多く出ると考えられています」
つまり血流量が増えると、血管を柔らかくする物質NOも増えるというんです。
「例えば正座をしていた後に足を伸ばして1分くらいすると気持ちよくなってきますよね。あの時にNOが出ているんです」
「血圧を2回続けて測ると、1回目よりも2回目の方が低くなる人が圧倒的に多いんです。その原因の1つもNOのせいじゃないかと言われています」
水中運動研究の第一人者、国士舘大学の須藤明治教授に協力してもらいました。
通常の血流量は1.9ml/min、つまり1分間に1.9mlの血液が毛細血管に流れています。
続いて水深約1mに45秒間潜り、血流量を測定すると…3.5ml/minにまで上昇。
水深1mの水圧でもおよそ2倍に増えました。
これが素潜り量を長年続けている海女さんのしなやかな血管の秘訣だったんですね。
簡単に出来るNO分泌法『グーパー運動』
「お風呂に入ると水圧がかかります。その状態で手足をグーパーすると同じような効果が得られます」
①ゆっくりと強く拳を握る(血管に圧力をかける)
②一気に拳を開く(圧力が開放される)
→血流量がアップしてNOが分泌される
注意する点は『熱いお風呂ではやらない』。
41℃以下のぬるめのお湯でやってほしいとのことでした。
②イワシをよく食べる
海女小屋で食事をする海女さんたち。
炭火で焼いているのはサザエやアジの干物、そしてイワシなどの魚介類。
「イワシっていうのは非常にいいんです」
「これらにはNOのもとになる『アルギニン』というのが含まれているんです」
アルギニンとは魚介類に多く含まれるアミノ酸のひとつで、NOを作り出すもとになる成分です。
摂取すると血管の内側に摂り込まれて、細胞内で血管を柔らかくする物質NOが作られるといいます。
中でも原田先生が勧めるイワシの干物にはアルギニンが多く含まれていて、EPA/DHAも豊富なんです。
・イワシ(干物)…1900mg
・アジ(干物)…1200mg
出典:日本食品標準成分表 2015年版(七訂)
さらに、『NOを減らす悪玉物質』を抑えてくれる成分も豊富なんだとか。
そんなイワシの栄養を簡単に摂る方法が、イワシの缶詰。
1日1缶で目安の摂取量を補えるとのこと。
イワシと一緒に食べるとさらにNOが増える食材は?
その食材とは…『きゅうり』。
「アルギニン(イワシ)だけではなくて、きゅうりとかを一緒に食べるとより効果があると考えられます」
きゅうりには『シトルリン』という成分が含まれています。
この成分は体内でアルギニンに変わると考えられていて、血管を柔らかくするNOを増やす効果が期待できるといいます。
また、『ショウガ』も血管を広げて血行を良くする働きがあるんだそう。
お風呂でグーパー運動、そしてイワシ缶ときゅうりを食べる。
2人の主婦、そして花田さんと内山さんの4人が1週間の改善生活に挑戦しました。
・米持美江子さん(54歳)…3.8%→6.3%(50代の基準値:約6.3%)
・関谷典子さん(60歳)…5.1%→7.8%(60代の基準値:約5.3%)
・花田虎上さん(48歳)…3.9%→4.8%(40代の基準値:約6%)
・内山信二さん(37歳)…1.3%→1.4%(30代の基準値:約6.3%)
「動脈硬化が改善困難な状態」とまで言われた内山さん、なんとか0.1%改善しました!
生活習慣を変えればさらに改善が見込めるとのことでした。
『血管拡張率を改善する方法』まとめ
・イワシの缶詰を食べる(アルギニンやEPA/DHAが豊富)
・きゅうりを食べる(シトルリンが豊富)
どれも簡単にできるので毎日の習慣にしたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。