【林修の今でしょ!講座】みかんVS柿!柿タンニンがインフルエンザウイルスを撃退

健康

2019年12月10日(火)放送の『林修の今でしょ!講座』。

「『みかん』VS『柿』冬の悩みを解消する驚きパワー!」というテーマで放送されました。

冬が旬のフルーツといえば…みかん

あなたはどっちをよく食べますか?

実はこのみかんと柿には、冬に起こる体の悩みを解消してくれる知られざるパワーがあったんです!

教えてくれるのは、“みかん博士”こと『長崎県立大学 看護栄養学部 農学博士』の田中一成先生。

そして“柿博士”こと『奈良県マーケティング課』の濱崎貞弘先生。

放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。

みかんで脳卒中予防

『色が濃いみかんを食べると血管が強くなる!?』

寒暖差が大きい冬は血管に大きな負担を与えてしまい、深刻化すると脳卒中につながるリスクも上がってしまいます。

そんな中、ある研究結果が。

みかんに多く含まれるある成分が、血管を強くし脳卒中を予防してくれるんだそう。

みかんの収穫量15年連続日本一の和歌山県。

毎日みかんを食べているという、みかんの農家の95歳の健康ご長寿。

血管年齢を調べてみると…なんと44歳!

実年齢より51歳も若いという結果に。

他の健康ご長寿の皆さんも、全員が実年齢より血管年齢が若いという結果になりました。

【田中先生の解説】
「実はこの色の違いはある成分によるものなんですが、それには驚きの効果が期待できるんです」
β-クリプトキサンチン。みかんの黄色い色の色素成分であって、またビタミンの一種なんです」
「最近の研究で、このβ-クリプトキサンチンが動脈硬化を予防する非常に強い働きがあることが、世界中の研究でたくさん出てきています」
β-クリプトキサンチンは果肉の部分にもっとも多く含まれているんだそう。
動脈硬化は悪玉コレステロールの酸化原因の1つ。
しかし、β-クリプトキサンチンはこの酸化を防ぐ働きを持っているんです。
【生果物のβ-クリプトキサンチン含有量(μg/100g)】
リンゴ…10
さくらんぼ…21
マンゴー…280
柿(生)…500
パパイヤ…820
みかん…1800
出典:食品成分データベース

果物の中でも一番多いのが、みかんなんです。

【田中先生の解説】
「β-クリプトキサンチンの効果が発揮できるのは3mg。みかん1個あたりだいたい1mg含まれているので、1日3個(約3mg)食べれば十分な効果が発揮できる」
「このβ-クリプトキサンチンは体の中に入っても悪さをしないので、たくさん食べたとしても何の問題もありません」
また、β-クリプトキサンチンは摂取すると、3か月~半年間体内に残るという研究結果も出ているんだそう。
『β-クリプトキサンチンがより多いみかんは…皮がシワシワ』

ツルツルやシワシワといった皮の違いは、実に含まれている水分量の違い。

みかんは外からの水分が不足すると、実に栄養成分や水分をため込もうとするため、より甘くなります。

その分、皮は水分などを失ってシワシワになるということなんです。

【田中先生の解説】
甘いみかんほどβ-クリプトキサンチンが多い、そういうデータがあります」
「糖度が高くなってくる、そうするとβ-クリプトキサンチンの濃度も高くなってくる。こういった関係にあります」
『β-クリプトキサンチンがより多いみかんは…軸が細い』
【田中先生の解説】
「木があってそこから水分を吸収しますよね。幹を通って実のところに軸を通って水分が入っていく。細いと水分が入ってくる分が少なくなってくる。だから水分の濃度が低い」
「軸が細い方が糖度が高いし、β-クリプトキサンチンの量も多いということになります」
冷凍ミカンは栄養成分を失うの?
【田中先生の解説】
「凍らせる、まったく問題ありません。栄養成分はまったく変わりませんので」
「みかんは2週間から1か月ぐらいで悪くなるので、悪くなる前に凍らせておくと長い間楽しめるということになります」
「栄養的にも問題ありませんし、保存方法を考えた場合にも凍らせるというのは非常にいい方法です」
【みかん博士おススメ!おいしい冷凍みかんの作り方】
1.冷凍する前にみかんを水で洗う
→みかんの周りにできる氷の膜が乾燥を防ぐ
2.ラップなどは使わずそのまま冷凍庫へ

食べるときは自然解凍でOK。

これで4か月程度はおいしく食べられるんだそう。

みかんで骨粗しょう症予防

『みかんに含まれるβ-クリプトキサンチン骨粗しょう症を防いでくれる!?』
【田中先生の解説】
「高齢者は骨粗しょう症になりやすいんですが、特に冬場に骨折が多くなるというデータがたくさんあります。それをβ-クリプトキサンチンがしっかりと防いでくれる」
「実際に『みかんを食べると骨粗しょう症になりにくい』という研究データがあります」
血中のβ-クリプトキサンチンの量が少ない人に比べて、多い人は骨粗しょう症の発症リスクが92%も低くなるんだとか。
【田中先生の解説】
「骨というのは壊そうとする細胞と作ろうとする細胞の両方があるんですが、それが繰り返されてだいたい5年で全身の骨が入れ替わるんです」
「だんだん歳を取ってくると壊す方の働きが強くなってしまいます。そうすると作ろうとする方が追い付かなくなってきて、だんだん骨がもろくなってくる」
「β-クリプトキサンチンは骨を破壊する方の細胞の働きを抑えてくれるんです
『みかんと一緒に食べるとより骨を丈夫にするのは…乳製品』

みかんの収穫量が全国2位の静岡県。

その中でも三ケ日町(現:静岡県浜松市)は特にみかん作りが盛んで、みかんと健康に関する研究を10年行った『三ケ日研究』で注目を集める地域なんです。

そんな三ケ日町の健康ご長寿の方々は、みかんと一緒にたくさんの食べ物を食べていました。

その中でも、みかんと一緒に乳製品を摂ることで、β-クリプトキサンチンの吸収を促進してくれるんだとか。
牛乳→吸収率1.9倍UP
ヨーグルト→吸収率1.6倍UP
FOOD Style21 2012年9月号(食品化学新聞社発行)

また、β-クリプトキサンチンは脂質とも相性がよく、豚肉などと一緒に摂ることでも効果を発揮するんだそう。

何でみかんを食べると手が黄色くなるの?
【田中先生の解説】
「β-クリプトキサンチンが皮下のところに溜まってきたということになるんですが、これは決して悪さをするわけではありませんので」
「そのうち少しずつ少しずつ排泄されていきますから、全然問題はありません」

ちなみに、みかんを食べ過ぎて手が黄色くなるのは柑皮症(かんぴしょう)というんだそう。

『みかんのクエン酸でカルシウムの吸収率UP』
クエン酸はカルシウムの吸収率をアップさせ、骨を丈夫にする効果が期待できるという研究結果があるんです。
つまり、冬にみかんを食べることは『β-クリプトキサンチンとクエン酸のWのパワーで骨粗しょう症予防が期待できる』、という実に理にかなったことだったんです。

みかんで冷え症改善

『みかんに含まれるヘスペリジンが体を温めて冷え症を改善!?』
体を温めるヘスペリジンは、特に白いスジ皮の部分にとても多く含まれているんだそう。
【ヘスペリジンの含有量(成熟みかん100g中)】
果肉(砂じょう)…95mg
スジ(中果皮)…3800mg

血流が滞り血液の循環がうまくいかず、体に冷えが生じる冷え症。

ヘスペリジンには血液の循環をスムーズにする作用があり、それが冷え症の改善に役に立つということなんです。

『みかんと一緒に摂ることでヘスペリジンの吸収率がUPするのは…緑茶』
そのまま食べると吸収率が非常に低いヘスペリジンですが、カテキンが含まれている緑茶と一緒に摂ることで、カテキンがヘスペリジンを包み込んで吸収されやすくなるんだそう。

また、緑茶以外にも同じくカテキンが含まれる紅茶でも効果があるんだとか。

体温が1℃ぐらい低い朝にみかん×緑茶を摂ることで、非常に効果が期待できるとのこと。

【田中先生の解説】
「ヘスペリジンは皮の部分にも多く含まれています。できれば皮の部分も料理の食材として使っていただきたい」
「油と一緒に食べると吸収率が上がってくるので、苦味も消えて美味しく食べられると」

レシピの例として、

・揚げるだけのみかんの皮の天ぷら
・にんじんの代わりにみかんの皮を使ったきんぴら

が紹介されていました。

みかんで認知症予防

『みかんに含まれるノビレチンは認知症対策に期待できる!?』

【田中先生の解説】
「これについてはまだ研究段階ではあるんですけれども、世界中でこの研究が行われています」
「ノビレチンという物質が入っているんですけども、これもポリフェノールの一種です。認知症対策に期待できるということで、今研究が進んでいるんです」

アメリカで行われた研究で、認知機能のテストを夏と冬で行った結果、冬の方が認知機能が4~5歳衰えていたという研究結果があり、気をつけたいところ。

国立長寿医療研究センターの研究で、みかんなどの柑橘類を食べる人は認知機能低下のリスクが14%減ったという研究結果が。

柿でインフルエンザウイルス撃退

『柿タンニンがインフルエンザウイルスを死滅させる!?』
【濱崎先生の解説】
「タンニンというのは渋み成分の1つで、ポリフェノールの仲間になります」
「研究者の中には『柿タンニンはポリフェノールの中でも最強ポリフェノールである』と言われるような性能があります」

広島大学大学院がインフルエンザやノロウイルスなど計13種類のウイルスに対して、様々なタンニンを使ってウイルスがどうなるかという実験を実施。

『13種類すべてのウイルスの活動を完全に止めたのは柿タンニンだけだった』という結果が。

コーヒーや緑茶に比べて、柿タンニンはウイルス残存率が極端に低かったとのこと。

【濱崎先生の解説】
「お茶のカテキンの何十倍も大きいのが柿タンニンなんです」
「お茶のカテキンにもウイルスなどをやっつけるための手のようなものがあるんです。柿タンニンは大きくなることによってその手がたくさんできている、というのが1つの理由なんです」
柿タンニンは柿の黒いところに多く含まれていて、これがタンニン細胞というタンニンをため込む細胞で、タンニンの塊です

柿でかぜ予防

『柿はビタミンCがたっぷり!冬が旬の果物の中でもトップクラス』
【ビタミンC含有量(100g中)】
りんご…6mg
みかん…35mg
いちご…62mg
レモン…50mg
柿…70mg
【濱崎先生の解説】
「ビタミンCがかぜの予防につながるという話は聞いたことがあると思うんですが、ビタミンCは体の中に入ってくる病原菌をやっつけるための免疫力を高める効果があるんです」
「ビタミンCには免疫を担う白血球の働きを強化する効果がある、ということが分かっています。つまり、免疫力を高めてくれるのでかぜをひきにくくなるということなんです」

柿の収穫量が全国1位の和歌山県。

その和歌山県のかつらぎ町で、かぜ知らずの柿農家の健康ご長寿が食べている柿レシピを調査しました。

・カットしたほうれん草・すりごま・豆腐・スライスした柿を混ぜ合わせた『柿とほうれん草の白和え』
・刻んだ柿をお椀に入れ、油揚げと豆腐入りの味噌汁を注いだ『柿の味噌汁』
・細かく刻んだ柿を混ぜ入れた『柿入りポテトサラダ』

など、多彩な料理に柿を取り入れていました。

【濱崎先生の解説】
「ほうれん草に含まれているルチンというポリフェノールがあるんですが、ルチンがビタミンCの吸収を助けてくれるという機能があります」
「ビタミンCはなかなか体内に入っていかない、すぐに排出されてしまうんです。それを効率よく体に吸収するのにルチンが役に立つと」

日本人が1日に推奨されているビタミンCの摂取量が100mg。

柿1個のビタミンCの量が150mgなので、1日柿1個でビタミンCの摂取量がまかなえるんだそう。

柿で乾燥肌改善

『柿のシトルリンが…血流改善をサポート!』
【濱崎先生の解説】
「血流を促進するためには、血管が柔らかくならないといけない。柿に含まれるシトルリンは血管を拡張する成分を生み出す手助けをしてくれます」
『血流を良くすることで…冬の乾燥肌を改善!』
【濱崎先生の解説】
「血流が悪くなると肌の方にも栄養が行きにくくなるので、どうしても肌の代謝が悪くなってきます」
『全身に血を隅々まで巡らせて肌の方の代謝もよくなってくる』ということで、肌の再生を早めて乾燥肌を改善してくれるというのが、シトルリンの効果として期待できるわけです」

柿の収穫量が全国2位の奈良県。

その奈良県五條市の柿農家、89歳の健康ご長寿の血管年齢を測定してみると…66歳!

83歳の健康ご長寿の血管年齢は…なんと44歳!

健康ご長寿の皆さん全員の血管年齢が、実年齢よりも大幅に若いという結果になりました。

『柿のシトルリンは…加熱をすることで2倍以上に増える!』

天ぷらにするなどして加熱をするといいんだそう。

【柿博士おススメ!柿トーストの作り方】
1.パンにバターを塗る
2.一口サイズに切った柿を乗せる
3.トースターで4分程度焼けば出来上がり
【濱崎先生の解説】
「小麦粉はたんぱく質が含まれていまして、これが肌の細胞の再生に役立つんです」
「バターにはビタミンAが豊富に含まれています。これが肌の新陳代謝を促進する」
「この組み合わせが、冬の乾燥肌対策には非常にうってつけのレシピじゃないかなと思います」

干し柿で腸内環境改善

『干し柿は甘柿よりも栄養成分が豊富!』
甘柿…生でそのまま食べられる
渋柿…干し柿にするなど“渋抜き”をして食べる
干し柿は干して水分を飛ばすことで柿の栄養分&糖分が凝縮するんだそう。
【干し柿のスゴいパワー】
①甘柿よりも…柿タンニンが豊富!
②甘柿よりも…食物繊維が9倍!
【濱崎先生の解説】
「柿タンニンは渋みのもとですので、渋柿から作られた干し柿の方が甘柿よりも柿タンニンの量が多くなります」
「食物繊維というのはペクチンという物質なんですが、これが干し柿には非常に多く含まれているんです」
【食物繊維の量(可食部100gあたり)】
ごぼう…5.7g
干し柿…14g
食物繊維が豊富と言われるごぼうと比べて、干し柿はその2.5倍もの食物繊維が含まれているんです!

おわりに

みかんと柿、この冬たくさん食べたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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