2019年7月2日(火)放送の『名医とつながる!たけしの家庭の医学』。
『食事の【色】でわかる高血糖を防ぐ㊙食材!!最強!?紫色フルーツ&奥薗流ナス料理』というテーマで放送されました。
教えてくれるのは、『東邦大学医学部 内科学講座 糖尿病・代謝・内分泌学分野』教授の弘世貴久先生。
アメリカ国立衛生研究所でも研究員としても勤務し、血糖値を下げるインスリンのエキスパートとして著書も多数。
現在は全国の糖尿病専門医の指導的立場で、まさに糖尿病治療の第一人者なんです。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
血糖値対策に良いのは紫色の食材
ちょっと食べただけでもすぐに上がってしまうのが『血糖値』。
その結果、足の血管が詰まり腐って切断を余儀なくされる人も少なくありません。
さらには心臓や脳の血管にも詰まりが起こり、心筋梗塞や脳梗塞といった命をも脅かす事態に至ってしまうこともあるんです。
そんな恐ろしい高血糖が気になるあなたに、ちょっと耳寄りな情報を入手!
血糖値は食事をすれば誰でも上がってしまうのですが、少しの工夫で上がりにくくできることが分かってきたというんです。
注目してほしいのは食べ物の色、血糖値を上がりくくしてくれる効果がある食材の色とは…紫色。
・紫キャベツ
・なす
・紫いも
・ブドウ
・ブルーベリー
・ラディッシュ
など
様々な種類がある紫色食材ですが、これらすべてに血糖値を上げにくくしてくれる効果があることが分かってきたんです。
一体、紫色のなにが血糖値に良い効果を与えてくれるのでしょうか?
「紫色の色素成分である『アントシアニン』、これが非常に糖尿病の発症を抑えるのに良い働きをしていると考えられています」
紫色の色素成分『アントシアニン』、これこそが血糖値を上げさせない栄養成分。
血糖値対策に最も効果が期待されるブルーベリー
今から旬を迎えるという紫色食材…ブルーベリー。
東京都小平市、ブルーベリーの栽培を日本で初めて行った方がご健在でした。
島村速雄さん(74歳)。
1968年、当時農学部の学生だった島村さんが大学の教授に頼まれてアメリカから取り寄せた苗木を栽培したのが始まりなんだそう。
2013年、世界五大医学誌の一つ『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』。
1位 ブルーベリー(33%減少)
2位 ブドウ・レーズン(19%減少)
3位 プルーン(18%減少)
4位 リンゴ・梨(14%減少)
5位 バナナ(13%減少)
6位 グレープフルーツ(12%減少)
7位 桃(11%減少)
8位 オレンジ(8%減少)
しかも、ブルーベリーはあらゆる市販の果物の中でもっとも高い糖尿病予防効果が確認されたんです。
ブルーベリーをこよなく愛し、日本では誰よりも長く付き合ってきた島村さん。
そんな島村さんの空腹時の血糖値はなんと!99(基準値110)。
70代男性の半数近くが基準値をクリアできていない中、かなり低い値でまったく問題ありませんでした。
あわせて血管年齢も測定させていただくと、実年齢74歳に対して血管年齢65歳。
実年齢より9歳も若いという結果に。
これもブルーベリーのおかげなのでしょうか。
アントシアニンは食事の2時間前に摂取する
そんな島村さんは1日にどれくらいの量のブルーベリーを、どうやって食べて血糖値の上昇を防いでいるのかを検証しました。
それから午前8時に朝食。
その後、島村さんの血糖値を測定してみると、一般的な70代だと200くらいまで上がってしまうところをわずか150で上昇がストップ。
血糖値が上がりにくくなっていることが確認できました。
しかも食後2時間が経つころには、早くもほぼ正常の数値に戻りました。
これもブルーベリー効果なのでしょうか。
午前10時、島村さんが向かったのは納屋にある保冷庫。
その中には冷凍ブルーベリーが。
凍らせておけば日持ちする上に暑い夏でもシャーベット感覚でひんやり食べられる、島村さんイチオシの食べ方なんだそう。
こうして毎日午前10時におやつ代わりに20粒ほどを食べていた島村さん。
そして午後3時にも同じようにおやつ代わりに冷凍ブルーベリーを食べていました。
昼食と夕食後の測定でも朝食のときと同様に血糖値の上昇は緩やか。
「ブルーベリーを食べることによって上がってくるアントシアニンの血中濃度の上がりに、ちょうど食事時間があたっていた」
「つまりタイミングです。タイミングが非常に重要です」
・ブルーベリージュース(午前6時)→朝食(午前8時半)
・冷凍ブルーベリー(午前10時)→昼食(午後0時)
・冷凍ブルーベリー(午後3時半)→夕食(午後6時)
それぞれ3食の食事のおよそ2時間ほど前に食べていたことが判明。
これこそが血糖値を上げないアントシアニンの効率的な摂取のタイミングだと弘世先生は言います。
アントシアニンの血中濃度の量は、摂取後1~3時間の間で最高値に達するんです。
アントシアニンは血液中に入ると糖分を細胞に運ぶインスリンの働きを高めると考えられています。
奥薗流『なすの塩漬け』
自らを『まなくら流ズボラ派』と称しカンタンなのに美味しい数々の健康レシピを考案してきた、家庭料理研究家の奥薗壽子先生。
そんな奥薗先生が血糖値の上昇を防ぐ紫色食材レシピを教えてくれました。
使う紫色食材は…なす。
「なすは見た目通り皮が紫色なのでアントシアニンが豊富に含まれているんですね」
「このなすを生で間食やお茶うけとして食べられるレシピを考えました」
「アク抜きと味付けを1回で同時にやってしまえるレシピを考えました」
しかし、生で食べる場合はアク抜きなどがちょっと面倒…
それを奥薗先生はカンタンな方法でクリアするといいます。
果たして奥薗先生の秘策とは?
材料(2日分)
・なす(3本)
・水(200ml)
・しょうが(1かけ)
・塩(小1)
・昆布(1×5cm 1枚)
1.ヘタを落としたなす(3本)2日分をタテに切る
→[なまくら流ポイント①]斜めに切ることで食べやすく味が入りやすくなる
2.ポリ袋に切ったなすを入れる
3.しょうが(1かけ)の千切りを加える
4.昆布(1×5cm 1枚)をはさみで切り入れる
5.塩(小さじ1)を入れる
→普通は塩でもんでアクを抜きますが…奥薗流『もまない!』
6.水(200ml)を入れる
→アク抜きをつつ塩水で漬かる
7.空気を抜き、袋をしぼって圧をかける
8.ポリ袋を結ぶ
→[なまくら流ポイント②]圧がかかることで漬かりながらアク抜きができる
9.1時間置く
10.袋の角を切り水を抜く
→[なまくら流ポイント③]袋の両端を切るとスピーディ
11.しぼり具合はお好みで
12.なすの塩漬け完成!
→食べる際にお好みで…かつお節、しょうゆ
あっという間に完成した『なすの塩漬け』。
加熱していないためアントシアニンの量はたっぷり。
シャキシャキとした歯ごたえが嬉しい一品です。
アレンジ①『中華風ゴマ風味』
1.なすの塩漬けにしょうゆ(大さじ1/2)をかける
2.ゴマ油(大さじ1/2)をかける
3.炒りゴマ(大さじ1/2)をふりかけ、よく混ぜて完成
なすの塩漬け『中華風ゴマ風味』。
香り高いゴマの風味だけでなく、なすとしょうがの食感の違いも嬉しい一品です。
アレンジ②『ハニージンジャー風味』
1.なすの塩漬けにはちみつ(適量)をかける
2.レモン汁(1/2個分)をかける
3.しょうが(1かけ)を追加で入れ、よく混ぜて完成
なすの塩漬け『ハニージンジャー風味』。
冷やして食べればレモンの酸味も爽やかな夏にピッタリの一品ですが…気になるのは、はちみつ。
血糖値には影響しないのでしょうか?
「はちみつそのものを単独で食べるとかなり血糖値は上がりやすいんですが、かなり多くのしょうがが入りましてですね。しょうがは非常に食物繊維が多い」
「糖の吸収がゆっくりになるので、はちみつが入っていてもある程度血糖値の上昇が抑えられるので、比較的安全にバリエーションが楽しめると思います」
おわりに
ブルーベリーとなす、どんどん食事に取り入れていきたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。