2023年8月19日(土)放送の『世界一受けたい授業』。
腸の砂漠化に要注意、腸冷え対策・肥満予防・腸内環境を改善して便秘を解消するレジスタントプロテインの増やし方を紹介します。
教えてくれるのはこれまで5万人以上の腸を見てきた医師で腸活本『暑さによる腸の砂漠化にご用心』著者の松生恒夫先生です。
テレビで紹介された放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
夏の腸活で寿命を延ばす方法
腸のエキスパートの松生恒夫先生おすすめの夏の腸活を紹介します。
常温のパンがレジスタントスターチを増やす
腸内環境を改善するにはトーストではなく常温のパンがおすすめ。
炭水化物に含まれるレジスタントスターチは冷えると量が増加します。
レジスタントスターチは便のカサを増やしてお通じを良くしたり、善玉菌であるビフィズス菌のエサになって悪玉菌の増殖を防いでくれるんです。
食物繊維が多いのは茶色の炭水化物
食物繊維が多い炭水化物を選ぶときは茶色のものを選ぶのがおすすめ。
茶色の玄米や茶色の全粒粉パンなどは食物繊維が豊富です。
さらにビタミンやミネラルも多く満腹感も得やすいので肥満防止にもなるんです。
便秘の原因になる大腸の砂漠化を防ぐ
水を飲んだときその大部分は小腸で吸収され、大腸へ届く水分はそもそも多くありません。
しかも夏は大量の汗をかくため大腸へ届く水分は減少、すると大腸は干からびて砂漠化してしまい便が硬くなって便秘になりやすいんです。
大腸の砂漠化を防ぐためには積極的に水分を摂ることが大切、1日1.5~2Lを目安にこまめに分けて飲みましょう。
腸の動きを良くするにはゆっくり常温の水を飲むのがおすすめです。
朝にコップ一杯の水を飲むことで腸が刺激され、スムーズなお通じにつながります。
ただし冷たい水だと胃や腸が冷えてしまい、腸の機能が低下するので要注意。
常温の水をゆっくり飲むことで水分が体に浸透しやすくなるんです。
腸内環境が悪い人は寿命が短くなる
腸内環境が悪く便秘気味の人は寿命が短いことが判明しました。
アメリカの大学の研究によると慢性的な便秘の人はそうでない人に比べて15年後の生存率が18%以上低いという結果が。
さらに近年の研究で4日に1回以下しか排便しない人は1日1回以上排便する人に比べて狭心症・心筋梗塞での死亡リスクが1.45倍、脳卒中での死亡リスクが2.19倍になることも分かりました。
腸の機能を低下させる腸冷えを防ぐ
冷たいものを大量に飲んで腸を冷やすのはNG!
暑いとエアコンの設定温度をついつい低くしすぎてお腹の調子が悪くなるのは腸冷えが原因です。
腸が冷えると腸の血流が停滞し、便秘や下痢、肌荒れ、免疫力の低下などの様々な体調不良の原因にもつながります。
腸冷え解消①エアコンの温度設定
室内と外気温の差が10度以上になると急激な寒暖差で腸が冷えてしまいます。
エアコンの温度は外の温度が35℃なら25℃以上と、外と中の温度差が10℃以内になるように設定しましょう。
腸冷え解消②汁物にオリーブオイルを入れて腸を保温する
オリーブオイルを入れたスープと入れていないものを飲み比べてその後の体温の変化を検証したところ、オリーブオイルを入れなかった方は体温が上がりませんでしたが、入れた方は飲んだ直後から体温が上昇して数時間後も高い体温を維持。
体温が維持された要因は油膜、オリーブオイルの油膜はほかの油に比べて薄く均一に広がりやすいので、スープの表面に広がることでスープが冷めにくくなり体の中でも保温効果があると考えられています。
さらにオリーブオイルに入っているオレイン酸は小腸で吸収されにくいと言われていて、大腸まで残って便を滑りやすくするので便秘改善効果もあるんです。
1日1回オリーブオイルを味噌汁などの汁ものに入れて飲むと効果的です。
慢性便秘を解消する食物繊維の摂り方
腸内環境を整えるのに大事なのが善玉菌のエサになる食物繊維です。
実際にゴボウ・大豆・もち麦など食物繊維が豊富な具沢山のスープを飲むと、飲む前は冷えた状態だった体が飲んで30分後は体温が上昇して真っ赤に。
2時間後も体温の上昇を維持しました。
食物繊維をたくさん食べると腸だけでなく体全体が温まることが分かったんです。
また食物繊維は便秘改善効果も期待されます。
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があり、腸に及ぼす効果が違うんです。
わかめやひじきなどの海藻類に多く含まれる水溶性食物繊維は水に溶けて便を柔らかくし、腸内の移動をスムーズにしてくれます。
一方しいたけなどに多く含まれる不溶性食物繊維は水分を吸って膨らんで便の量を増やし、さらに腸を刺激して腸の動きを活発にすることで排便を促します。
ただし水溶性と不溶性はどちらか一方を摂りすぎるのではなくバランスが重要です。
水溶性と不溶性が1:2の理想的なバランスで含まれている食べ物がアボカドです。
しかもビタミンEが豊富で免疫機能を高めてくれ、皮膚に良いビタミンB6も豊富なんです。
1日1/2個、お刺身のようにスライスして醤油をつけて食べるのがおすすめ。
熱中症を予防しビフィズス菌を増やす腸活スムージー
ビフィズス菌とは主に大腸に生息する善玉菌で、腸内を弱酸性にして悪玉菌の増殖を防ぐ効果などがあります。
甘酒の材料である米麹や酒粕にビフィズス菌の量を増やす効果があると考えられます。
また米麹や酒粕には善玉菌を増やす食物繊維や、ビフィズス菌を増やす効果のあるオリゴ糖も豊富なので甘酒は腸内環境改善に効果的。
レジスタントプロテインは腸内にたまった老廃物を絡め取って排出し、腸内環境を整える効果があるだけでなく、脂質や油を小腸でキャッチして包み込むようにして体外に出すことで肥満抑制効果(ダイエット)も期待できるんです。
さらに甘酒は“飲む点滴”と言われるほど栄養価が高く、水分・塩分・糖分がバランスよく入っているので熱中症予防にも有効です。
これがあると肥満予防に!今注目の短鎖脂肪酸
短鎖脂肪酸とは腸内細菌が水溶性食物繊維を分解し、大腸で作られる物質のこと。
短鎖脂肪酸は大腸で吸収されると血流にのって全身を巡り脂肪組織に栄養が取り込まれるのを防ぎます。
すると脂肪の蓄積が抑えられて体脂肪を減らす効果が期待できます。
さらに短鎖脂肪酸は交感神経を活性化させる効果もあり、体の基礎代謝が高まって脂肪を消費しやすくなります。
他にも悪玉菌の発生を抑えたり細菌などの侵入を防ぐ腸のバリア機能をアップさせたり、腸に嬉しい効果がたくさん。
しかし短鎖脂肪酸そのものは口から摂取しても小腸で吸収されてしまい大腸まで届きません。
乳酸菌には胃液などで死滅しやすいものと死滅せずに生きたまま腸まで届きやすいものがあります。
死んだ乳酸菌でも腸内細菌のエサになるので悪くはありませんが、生きた乳酸菌が大腸に到達すると大腸内が弱酸性に保たれて悪玉菌が住みにくくなり、短鎖脂肪酸を生み出す善玉菌の割合が増えるんです。
生きたまま腸まで届きやすい乳酸菌が多く含まれる食べ物の代表格が漬物。
具体的には、すぐき漬け、たくあん、キムチなど植物由来の乳酸菌がおすすめです。
一方、ヨーグルトやチーズに含まれる乳酸菌は胃液などで死滅しやすい動物由来の乳酸菌、生きて腸まで届きにくいんです。
そこで松生先生がおすすめするのが「豆乳グルト」などの豆乳で出来たヨーグルトです。
豆乳ヨーグルトは大豆を植物由来の乳酸菌で発酵させたもので、コレステロール0でカロリーも少ないので腸にとっても良いんです。
さらに乳製品のアレルギーがある方でも食べられるのが特徴です。
甘さが足りないと感じる場合はオリゴ糖を加えるのがおすすめ。
夏の水分補給に効果的な腸活ドリンク
松生先生がおすすめする夏場の水分補給に効果的な腸活ドリンクがペパーミントティーです。
ペパーミントにはメントールが非常に多く含まれていて、胃の粘膜を保護してくれたり腸のガスを抜けやすくさせる作用があることが分かっています。
ペパーミントティーは冷やしても温めて飲んでもどちらでもOK。
腸ストレッチのやり方(腸活マッサージ)
便秘やお腹の張りは腸内環境が悪化している証拠。
そこで松生先生おすすめ、お腹の不快感を改善する腸ストレッチのやり方を紹介します。
①左半身を上にして横になる
②右ひじで頭を支える
③左の手のひらをおへその少し下にあて、時計回りに円を描くように5分さする
この体勢がつらい人は「うつ伏せストレッチ」を行うことで同様の効果が期待できます。
①クッションや枕などをお腹の下に敷いてうつ伏せになる
②その場でお腹を右から左へ5分ほど揺らす
便通を良くするのに即効性のある食べ物
便通を良くしたいときにおすすめの即効性のある食べ物がオリーブオイルです。
オリーブオイルを大さじ1杯ほど納豆にかけて食べるだけで便通を良くする効果が期待できます。
納豆にはポリアミンという食物繊維が多く含まれていて、そこにオリーブオイルが絡みついて滑りが良くなるんです。
さらに納豆には水溶性食物繊維も豊富に含まれているので非常に効果的。
忙しいときに続けやすい腸活のやり方
忙しいときに続けやすい腸活は味噌汁を飲むこと。
味噌汁には麹菌が多く含まれていて、麹菌を摂ることでビフィズス菌が増えるんです。
インスタントでもOK、お弁当に持っていくなど毎日味噌汁を飲むだけでも効果が期待できます。
おわりに
寿命を延ばす夏の腸活、ぜひ参考にしてみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。