2020年3月7日(土)放送の『世界一受けたい授業』。
『若い人も要注意!隠れた病気が自宅で分かるDIY健康診断』というテーマで放送されました。
実は知らず知らずのうちに、体に病気の症状が出ていることがあるんです。
将来、健康で元気な生活を送るために若いうちから体の変化に気づくことが大切!
教えてくれるのは、東海大学医学部医学科客員教授の久保明先生。
「DIY健康診断はあくまで早期発見のヒント。テストで良くない結果が出た場合は、病院での精密検査を受診してください」
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
腱鞘炎のセルフチェック
答えは…スマートフォンの使い過ぎ
①腕をまっすぐに伸ばす
②親指を内側に握り込むようにして、軽くこぶしをつくる
③手首を小指側に曲げる
【ポイント】このとき手首の付け根に痛みがあるか確認する
④反対の手も同じように曲げる
スマートフォンを長時間使う人たちが多くかかるのが“ドケルバン病”。
別名『スマホ腱鞘炎』と呼ばれています。
片方の親指だけでスマホを操作を続け、親指を酷使していませんか?
これにより、親指と手首をつないでいる2本の腱と、腱を覆う腱鞘がこすれ合って炎症が起きているんです。
「この痛みがある部位は親指の動きをコントロールする腱が通っているんです。ですから他の指を使うというような手段、もしくは親指の動きを少し制限するテーピングをする」
「もっとひどい場合は鎮痛剤やぬり薬で対処すると」
前立腺肥大症のセルフチェック
答えは…おしっこにかかる時間
「最近の研究で体重3kg以上のほとんどの哺乳類、たとえば猿でも象でも。排尿にかかる時間がだいたい21秒という研究結果が出ているんです」
あなたは自分が何秒間おしっこをしているか、測ったことはありますか?
排尿時間は長くて30秒が目安。
「もちろん、体調や飲んだ水分の量によって長くなる時もあるので、一度ぐらい長くなったからといって神経質になる必要はありません」
ただし、短い排尿でも2時間以内に数回行くことが続いた場合は、泌尿器科を受診してみてください。
脳卒中のセルフチェック
これでわかる病気は…
「脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中です。脳卒中の兆候がある人は、舌を出したときに確認できます」
脳の血管が詰まると舌の筋肉を動かす神経の働きが弱くなるため、舌のコントロールができなくなります。
・あっかんべー
・しゃべり方
・口のゆがみ
・両腕を上げて片方の腕が下がる
口輪筋のセルフチェック
用意するもの
・500mlのペットボトル
・100mlの水
①100mlの水を入れたペットボトルを、歯を使わずに唇だけでくわえる
②この状態で10秒キープ
「口の周りの筋肉を覆っている、口輪筋という筋肉の衰えをチェックすることができます」
口をしっかり閉じて鼻呼吸をすることで、ウイルスが体内に侵入するのを防いでいます。
鼻にはフィルター機能があり、ウイルスをせき止めてくれるんです。
しかし口輪筋が衰えると、自然と口が開いて口呼吸になってしまいます。
「加齢などによって口の機能が衰える『オーラルフレイル』という状態が注目されています」
「このオーラルフレイルになるとモノを飲み込む力が衰えて、誤嚥性の肺炎などの危険性が高まります」
「ですから口輪筋などの口周りの症状も定期的なチェックが必要になってきます」
口輪筋を鍛える『あいうべ体操』
①「あー・いー・うー・べー」と声を出して、口や舌を大きく動かす
※1日30回を目安に行ってください
「実はこの運動、ほうれい線を目立たなくするという効果も期待できます」
「ほうれい線が気になる方はやってみてください」
肺疾患のセルフチェック
①左右の人さし指を曲げ、爪を向かい合わせでくっつける
②爪の間にひし形の空間ができているか確認する
「肺がんや気管支拡張症などの、おもに肺疾患の疑いがあるかどうかのチェックなんです」
人さし指を合わせて爪の間に隙間ができている人はOK。
しかし中には隙間がなく、くっついてしまう人も。
実はこれ、“ばち指”と呼ばれる指のふくらみが原因。
詳しいメカニズムはまだ分かっていませんが、悪性腫瘍などが生成するホルモンによって引き起こされるのではと言われています。
「ばち指の傾向があっても、必ずしも肺がんなどの病気にかかっているわけではありません」
「肝臓や腸などの疾患でもばち指になることがあります」
「ひとつの目安としてチェックしていただければと思います」
脳梗塞のセルフチェック
用意するもの
・同じコップ2つ
・お水
①ひとつのコップのフチすれすれまで水を入れる
②両手に一つずつコップを持ち、水を空のコップに移す
③水がこぼれないように注意しながら6回くり返す
「脳の血管が詰まる脳梗塞のセルフチェックの一つになります」
「9割以上のお水が残ってない方は注意が必要です」
そのため手先の細かい動きが不自由になり、水をこぼしてしまうんです。
「パーキンソン病の初期の方や、生理的な震えがひどい方でもできないことがあります」
おわりに
自宅で簡単にできるDIY健康診断、定期的に行いたいですね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。