2020年3月28日(土)放送の『世界一受けたい授業』。
『世界幸福度ランキング3年連続1位 フィンランドに学ぶ幸せな生き方』というテーマで放送されました。
毎年国連が発表している、世界各国の人がどれくらい幸せかを10段階で評価する『世界幸福度ランキング』。
日本は世界的に見ると裕福な国ですが、幸せだと思う人が少ないんです…
一方、この世界幸福度ランキングで3年連続1位の国(2018年~2020年)が、北欧の国フィンランド。
約526万人の北海道より少し多いくらいです。
フィンランドと言えば、2020年に誕生75周年を迎えるムーミンや、綺麗なオーロラが見られたり、サンタクロースに会える会える村などが有名。
首都のヘルシンキの人口は約65万人で、トラムや地下鉄など交通網も発達しています。
2019年12月、サンナ・マリンさんが当時世界最年少の34歳で首相に選ばれました。
サンナ・マリンさんは2歳の娘がいる一児の母親。
さらに驚くべきは、彼女が率いる内閣は19人の閣僚のうち12人が女性なんです。
教えてくれるのは、駐日フィンランド大使館商務部のラウラ・コピロウ先生(31歳)。
放送内容をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。
フィンランドが発祥の日本で大人気の“あるもの”とは?
答えは…サウナ
サウナはフィンランドでは1000年以上前に誕生しました。
サウナ(sauna)という言葉もフィンランド語なんです。
血行が良くなり、風邪予防にも効果があると古くから愛され、今では一家に一台は当たり前。
会社のオフィスにもサウナがあるんです。
さらに、フィンランドにはサウナに入った後、冷たい海や湖に入る習慣が!
フィンランドで赤ちゃんを迎える家庭に国から贈られるものとは?
答えは…生後1年分の育児用品が国から贈られる
出典:日本テレビ『世界一受けたい授業』
赤ちゃんが生まれる数か月前に、国から育児パッケージが届きます。
その中には育児用品がぎっしり!
子供服はもちろん、体温計などのヘルスケアグッズから絵本まで。
およそ60点もの育児用品が、子どもができた家庭は無料でもらえるんです。
この取り組みは80年以上前からずっと続いていて、国が毎年両親の要望を聞いて中身を変えているんだそうです。
他にもフィンランドは教育に手厚く、保育園から大学院まで授業料が無料なんです。
さらに児童手当はもちろん、大学生になると月におよそ6万円の学生手当が支給されます。
フィンランドで認められている家族の形とは?
フィンランドでは事実婚が認められていて、20代のおよそ7割のカップルが事実婚を選びます。
まずは一緒に暮らしてみて、お互いの相性を確かめてから結婚する人が多いんです。
2017年には同性婚が認められるなど、どんな形の家族でも国は全力でサポートします。
サンナ・マリン首相も子どもの頃に両親が離婚し、その後母親とその女性パートナーによるカップルの間に育ちました。
フィンランドの教育に大事なこととは?
フィンランドでは、質の高い教育がすべての人に平等に与えられるべきだと考えられています。
クラスは少人数で、おくれをとる生徒がいれば補修を組むなどして落ちこぼれを作らないようにしているんです。
出典:日本テレビ『世界一受けたい授業』
その結果、どれくらい教育が優れているかを図る『世界教育水準調査』では、フィンランドが1位を獲得しています。
さらに、高い教育水準を維持できるもうひとつの理由。
それは、図書館の利用率が世界一。
フィンランドでは人口における図書館の数が、日本のおよそ5倍なんです。
出典:日本テレビ『世界一受けたい授業』
2018年12月にオープンした最新図書館Oodi(オーディ)は、2019年に国際図書館連盟によって『世界で最も優れた図書館』に選ばれました。
フィンランドでは、週末になると家族全員で図書館に行くのが一般的なんだとか。
最新図書館Oodi(オーディ)では本以外にも
などが誰でも無料で使えるんだそうです。
フィンランドで仕事中に保障されている権利とは?
フィンランドのライフスタイルブランド『マリメッコ』。
1951年に創業したのは、アルミ・ラティアさんという女性。
現在の社長もティーナ・アラフフターカスコさんという女性です。
このように、マリメッコは伝統的に女性が活躍する会社として有名で、現在マリメッコ社員の94%が女性社員なんだそう。
また、社員は仕事中にコーヒー休憩をする権利が保障されています。
フィンランドは一人当たりのコーヒー消費量で世界トップクラスになるほど、コーヒーが大好きな国。
労働時間が4~6時間ではコーヒー休憩1回、6時間以上はコーヒー休憩2回と労働法で決められています。
早くて夕方4時には帰宅するフィンランドでは、日本の会社のような飲み会がほとんどありません。
その代わりに、コーヒー休憩が同僚とのコミュニケーションの場として活用されているんです。
フィンランド人が大切にしている“シス”という考え方とは?
実は、フィンランド人が幸せになるために一番大切にしている、“シス”という伝統的な考え方があるんです。
その考え方とは、諦めずに努力すること。
シス(SISU)とは、フィンランド語で“諦めずに前向きに努力する”という意味。
フィンランドの歴史はシスの連続でした。
1917年にロシアから独立したフィンランド、第2次世界大戦ではソ連が侵攻してきます。
人口およそ1億7000万人のソ連に対し、フィンランドはわずか350万人。
領土の一部は失いましたが、独立を保ちました。
戦後はソ連に対して多額の賠償金を抱えながらも復興を目指してきました。
「フィンランドは古くからどんな状況でも精一杯頑張らないといけないと考えられてきました」
「ステキな女性とは見た目ではなく、よく働く女性のことなんです」
厳しい歴史的な背景がフィンランド人一人一人に諦めない力“シス”を宿し、結果として多くの幸せをもたらしたんです。
「①シス(諦めない力)、②勇気、③ユーモア、その3つが必要ね」
「誰かに批判されても勇気を持って立ち向かって、ユーモアで乗り切ることが大切なの」
世界中に暗いニュースが飛び交う今こそ、シスの精神で諦めずに立ち向かうことが必要なのかもしれません。
「みんなにすごく伝えたいのは、日本とフィンランドは同じく資源のすごく少ない国かもしれませんが、フィンランドでは『人が資源』というふうに考えて、自分らしく暮らせるように社会を作ってきたと思います」
「だから日本人もすべての人が、自分らしく暮らせるようになるといいかもしれないですね」
おわりに
フィンランド、ほんわかしたイメージとは違って過酷な歴史の連続だったんですね。
シス(諦めない力)、こんな時代だからこそ日本や日本人にとっても大切な考え方なのかもしれません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。